今までの悲しみを洗い流すかのように、たくさん泣いた美咲と拓也。
しばらくしてから落ち着つくと、2人は寝室で横になってしました。拓也は「ごめんね……」と言い出すと、今まで思っていたことを話し始めて……?
夫がこれまでの自分の行動を振り返り始めて…
「もう何を言っても今更っていう感じだけど、
俺、美咲の話をちゃんと聞いてるつもりだったんだ」
そう話し始めると、拓也は言葉を続けます。
「でも思い返してみたら、
結局自分の希望を押し付けてたなって……」
「寄り添うフリをして
誘導してたってわかったよ……」
話をひたすら黙って聞いている美咲。
「花ちゃんのことも、
それで美咲の傷が癒えるならって
見て見ぬふりをしてた……」
拓也は申し訳なさそうに、そう口にしたのでした。
◇ ◇ ◇
過去の自分の行動を後悔しながらも、美咲に謝罪の言葉を口にした拓也。「花ちゃんのことも見て見ぬふりをしてた」と言っていましたが、"それで傷が癒えるなら"と美咲をそのままにしていたのは、美咲の気持ちが分かるからこその拓也なりのやさしさだったのかもしれません。
検査後、先生からは、この年齢と夫婦の体質から考えても(精子の数とかホルモンの値とか)、タイミング法とか試すよりもういきなり体外受精行った方がいいですよと言われ、1度目で授かりました。
でも旦那は、初歩的なやつから始めて運良く授かったらラッキーじゃん!お金も安くすむ!と言ってました。
けどそれって、遠回りして失敗を繰り返すってことなんですよね…
先生のアドバイス通りにして良かったと心底思っています。
授かった事もだけど、精神的ショックの回数を減らせた事が良かったです。
体外受精はお金もかかるし、最上位の処置なので、それを何回かやってみてダメなら諦めるけど、それを初歩のタイミング法から、卵管造影して卵管形成して、人工受精して、自己注射して採卵して…なんて段階踏んでたら、失敗は何十回になる?どれだけ失望繰り返したか…
もう最終的に心ボロボロだったと思います。
きちんと病院で二人とも検査して、何が問題なのかハッキリさせて、確実な方法で妊活するのが心の健康には一番良い、という事は絶対に言えると思います。