体外受精で苦労
体外受精をおこなうためには、まず採卵をしなくてはなりません。また、採卵に向けて1カ月の間に何度もクリニックに通う必要があります。卵胞の発育具合を確かめるために、そして治療の成功率を上げるためには欠かせないことだとはわかっていましたが、当時仕事が忙しかった私にとっては、スケジュール調整がとても難しいものでした。
そして、一番良い状態のときに採卵しなくてはいけません。採取する日程は、生理周期などからある程度予測できたとしても、状況によって変わることがあります。直属の上司には不妊治療をしていることを伝えていましたが、仕事のスケジュールの調整は結局それぞれに任されています。しばらく調整しながら頑張っていましたが、治療期間が長引きそうだったこともあり、次第にすべてが苦しくなってきました。結局、私はクライアントや同僚に迷惑をかけることができないと考え、他の部署に異動させてもらうことに。
採卵自体は短時間で済みます。しかし、体だけでなく心にも負担がかかるため、その日は毎回どっと疲れていました。採卵までの道のりはとても負担が多いため、仕事をしているとハードルの高いものだと感じました。
卵子凍結をすることに決め…
体外受精を進める中で、卵子凍結をすることに決めました。そのとき「これで何度か体外受精にチャレンジできる」と安堵したのを覚えています。もちろん、必ず妊娠できるわけではありません。でも、ようやくスタート地点に立てたような気がしたのです。
私の場合、最初の体外受精で成功とはなりませんでした。何回か続けるうちに、ようやく妊娠することができて、今はかわいい子どもと共に暮らしています。
あのとき卵子凍結にチャレンジしていなければ、今の生活はなかったでしょう。いろいろなことを我慢したり、あきらめたりもしましたが、私の場合は、結果的に卵子凍結に踏み切ってよかったと思います。でも、これは出産までたどり着けたから思えることです。卵子凍結は費用もかかりますし、体の負担もあります。あらゆる方向から検討して、夫婦でよく考えることが大切だと感じました。
実際に治療を受けて、体外受精や卵子凍結は女性側に大きな負担がかかるということがわかりました。私の場合、寄り添ってくれるパートナーがいたのでなんとか乗り越えることができました。今後、さまざまなハードルがある体外受精や卵子凍結の現状について理解が深まったらいいなと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者/牧りの
イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
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