1more Baby応援団の願いとは(後編)【2人目の壁シリーズ4】

2018/02/18 22:00
「一般財団法人1more Baby応援団」に実際の活動についてインタビューで聞いてきました。「2人目の壁」とはいつから言われるようになったのか、その原因についても伺ってきました。さまざまな夫婦に調査をした結果、2人目の壁を乗り越えた方とそうではない方の年収というのは、実はほとんど変わらない結果だったそうです。
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一人っ子家族のイメージ

 

1人目の育児が落ち着いてくると、考え始めるのはこれから家族計画のこと。「子どもはひとりがいい」「できれば3人以上ほしい」など、夫婦によって希望はさまざまだと思います。でも、本当は「2人目がほしい」と思っているのに、いろいろな事情から産むのをためらってしまう……そんな「2人目の壁」に悩む人が近年増えているそうです。理想の数だけ子どもを産める社会を実現するために活動する「一般財団法人1more Baby応援団」に「2人目の壁」について取材をした連載4回目になります

 

「子どもは2人ほしい」と思いながらも、2人目を産むことをためらってしまう「2人目の壁」に悩む夫婦をサポートしている団体が「一般財団法人1more Baby応援団」。専務理事の秋山 開(あきやま かい)さんに、「2人目の壁」の背景にあるもの、どのような活動をしているのかをインタビューをしました。

 

インタビューQ&A

Q.「2人目の壁」という言葉は最近になってよく耳にするようになりましたが、いつごろから増えているのでしょうか?
 

「日本の夫婦間の出生子ども数の平均が2010年に初めて2.0を下回り、このころから『2人目の壁』という言葉が聞かれ始めました。

 

ただ、2011年の第14回出生動向基本調査によりますと、子どもが2人いる家庭の割合というのは1977年からこの40年、それほど変わっていないんです。その分、子どもが3~4人の家庭の割合が減り、1人の家庭の割合が約1.5倍、子どもがいない家庭が約2倍に増えています。一方、理想の子どもの数は2.4人です。

 

つまり本当はほしいのに子どもがいない、2人目がほしいのに1人であきらめたり、3人目がほしいと思いながら2人であきらめているご夫婦がとても増えたということ。こうした方たちが希望通りに出産できるようになれば、少子化問題も解消していくのではないかと考えています」

 

 

Q子どもを産みにくくなったというのは、子育てしにくい環境になっているからなのでしょうか?

「最近は、おむつ替えスペースや授乳室を設置している施設も多くなりましたし、ハード面では子育て世代にやさしくなっていると思います。

 

ただ、そんなふうによくなっている面もあれば、ベビーカー論争のように子育てしにくくなったと感じてしまう面もありますよね。 私たちが子育てしやすい街と感じる理由について調査したところ、経済的な支援が充実していることが上位を占めるのかと思ったら、意外と高かったのが『住民がやさしいと感じる』ということでした。ベビーカーの上げ下ろしを手伝ってくれたり、笑顔で声をかけてくれる環境が、子育てしやすいと感じるのだそうです。地域の子育てへの理解が深まると、子どもを産むことに前向きになれる世の中に変わっていくのかなとは感じますね」

 

 

Q.では、「2人目の壁」を持ちやすい夫婦の特徴というのはありますか?

 

「ご夫婦によってさまざまな事情を持ちなので一概には言えませんが、ひとつには『パパの育児参加時間』が関係しているというデータもあります。厚生労働省がおこなった『第9回21世紀成年者縦断調査』(2011)によると、パパが家事や育児に参加する時間が長いほど、第2子以降の出生割合が高いという結果が出ています。逆を言えば、『2人目の壁』を感じやすい家庭では、ママがひとりで家事や育児をしている割合が高いということになります。

 

ただ、育児に参加をしたいと思いつつも仕事が忙しくてできない、というパパも多くいらっしゃると思います。 また、働いているママの中には、すぐに2人目がほしくても復職してすぐにまた育休をとりにくい、と悩んでいる方が多いですね。キャリアアップのためというよりは、上司や同僚の目を気にしたり、周囲に迷惑をかけられないと考えて、第2子出産に踏み切れない方が多いようです」

 

 

Q.秋山さんはお子さんが2人いらっしゃるということですが、2人目への不安はありましたか?

 

「もちろんです。第一子が生まれてから7年、経済的な不安や当時はワークライフバランスが不均衡だったこともあり、2人目をどうしようか迷っていました。壁を乗り越えるきっかけになったのは妻の年齢でしたね。妻が35歳になり、このまま迷っているうちに2人目を出産できるタイミングを逃してしまうかもしれないということで、妻と話し合って2人目を作ろうと決めました。実際に生まれてみるとなんとかなるというか、1人目の育児経験があるので、不安に思うことの数というのは第1子よりは少なかったですね」

 

秋山 開(あきやま かい)さん

▲秋山 開(あきやま かい)さん。「1more Baby応援団」の立ち上げ当初から、「2人目の壁」を乗り越えるための啓蒙活動を推進しています。プライベートでは2児の父

 

 

Q.「夫婦の出産意識調査」では、「2人目の壁」の要因として「経済的な理由」が1位でしたが、同じように「2人目の壁」に悩みながらも、それを乗り越えた夫婦と、そうではない夫婦では、なにが違うのでしょう。やはり収入面が大きいのでしょうか?

 

「一概に収入だけが大きな原因とはいえないと思います。前回ご紹介した『なぜ、あの家族は二人目の壁を乗り越えられたのか』を出版するにあたり、さまざまなご夫婦に調査をした結果、2人目の壁を乗り越えた方とそうではない方の年収というのは、実はほとんど変わらない結果でした。変わらないどころか、子ども1人家庭のほうが若干高かったほどなんです」

 

 

Q.意外ですね。収入の多い少ないは関係ないということでしょうか?

 

「それを掘り下げてヒアリングしてわかったのは、2人目の壁を乗り越えられずにいる方というのは、“漠然とした不安”を抱えていらっしゃることが多いということ。『日本の将来は悲観的だ』『今の生活が不安だ』『自分は心配性だと思う』『将来の生活が不安だ』といったアンケートは、どの項目もすべて子ども2人家庭より、子ども1人家庭の方のほうが「はい」と答えている割合が多いんです。

 

では、2人目の壁を乗り越えた方々がそうした不安がなかったかというと、そうではなく当然あるんですね。不安がない人はほぼいないと思うんです。そうした中で、『じゃあ、どうして2人目を産んだのですか?』と聞くと、みなさん『ほしいからなんとかするしかないと思った』と答えています。

 

お金の不安は専門家に相談したり、育児と両立しやすい職場へ転職をしたという方もいます。そのうえで最後の決め手はなにかといったら、『なんとかする!』といい意味で開き直る前向きなマインドチェンジだと、みなさん話していましたね」

 

 

Q.最後に、2人目に悩む人たちへのアドバイスをお願いします。

 

「まずは、ご夫婦できちんと話し合って計画を立てることことが必要だと思います。その結果、子どもは1人にする選択もありだと思います。だけど話し合いも持たずに時間だけが過ぎてしまい、出産できるタイミングを逃してしまうのがいちばん心配なことです。

 

さまざまな2人の壁の要因があるなかで、もっとも超えにくい壁、努力をしてもなかなか超えられない壁というのが『年齢の壁』だと思うんです。まずはぜひご夫婦で2人目をどうするのか、しっかり話し合い、夫婦で2人目の壁に向き合ってみてください」

 

 

「2人目の壁」については身近な人に相談しにくい問題でもあるので、こうしてサポートしてくれる存在があるのは心強いもの。「2人目の壁」に悩むママやパパを応援する取り組みには、これからも注目していきたいです! 次回は、「2人目の壁」を乗り越えるための具体的なヒントをお伝えしたいと思います。(TEXT:妹尾香雪)


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