おもちゃを譲る次男がある日…
子どもたちが同時に同じおもちゃで遊ぼうとして取り合いになったとき、次男がおもちゃを手にすると、長男は泣いたり怒ったりしてしまいます。そんなとき、私は「順番に使おうね」「こっちにも別のおもちゃがあるよ」と2人に声を掛けるのですが、そうすると次男が長男におもちゃを譲ってしまうことがよくありました。
「順番だから後で貸してあげたらいいんだよ」と私が言っても、次男はそのおもちゃを諦めてしまいます。「譲ってあげてやさしいね」と次男に声を掛けながらも、その回数が多いことが私は気になっていました。
ある夜私は、寝ている次男が寝言で「僕の!」と怒っているのを聞きました。一瞬のことでしたが、別の日にも同様の寝言を聞いて、「次男は本当は我慢しておもちゃを譲っていたのかも」とはっとした私。思わず「気付いてあげられなくてごめんね」と寝ている次男に謝りました。
それからは、次男が長男におもちゃを譲ろうとしても、私は「順番だから先に使っていいよ」と止めるようにしています。また、長男にも「泣いたり怒ったりするんじゃなくて、貸してって言って順番を守ろうね」と伝えました。
現在もおもちゃの取り合いをすることはありますが、長男も次男も「貸して」の声掛けと、「いいよ」または「後でね」というやり取りがじょうずになってきました。次男の寝言もあれ以来聞いていないので、やはりあれは次男の抑圧された思いが寝言として現れたのではないかと思っています。私は次男の我慢に気付けなかったことを反省して、もっとよく子どもたちの様子を見るよう心掛けています。
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著者:香川えりか
4歳と2歳の2児の母。管理栄養士・登録販売者・調剤事務管理士の資格を取得。ドラッグストアで開催されるベビー相談会を担当し、多くのママさんに寄り添ってきた。