こんにちは!助産師のREIKOです。出産予定日を過ぎても、赤ちゃんが生まれる気配がない……。ただでさえ、心配なのに、健診で医師から「誘発分娩を」なんて言われたら、もっと心配になってしまうかもしれません。前回、誘発分娩の基本的なことについてお話させていただきました。
今回は、誘発分娩の実際について、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。
入院は誘発分娩の前日
私が働いていた病院では、誘発分娩の場合、前日のお昼ころに入院となっていました。入院後は、胎児心拍モニタリングをおこない、おなかの中の赤ちゃんの状態を確認します。そして夕方、内診の結果で、子宮の入り口である子宮頸管をやわらかくしお産可能な状態になるようにする処置、「頸管熟化(けいかんじゅくか)処置」がおこなわれました。
私が働いていた病院でおこなわれていた頸管熟化処置は、子宮口にラミナリアという器具を入れる方法でした。ラミナリアは長さ7cm前後の棒状の器具で、水分を吸収しながら少しずつふくらんでいきます。子宮口の開き具合によって、挿入するラミナリアの数も変わっていきました。
ラミナリアを挿入する処置は、激痛ではないですが、痛みや出血を伴うこともあります。そして処置後は、感染予防のため、抗生剤の内服が始まり、入浴・シャワーもNGとなっていました。
誘発分娩の当日は?
ラミナリアを挿入したあとは、病室で過ごしていただいていますが、誘発分娩の当日は、朝食後、陣痛室で過ごすことになっていました。
陣痛室に移動したら、お産用の服に着替え、胎児心拍モニタリングをおこないます。その後、医師の診察と先日挿入したラミナリアを抜く処置がおこなわれます。
そして、胎児心拍モニタリングでおなかの張りがあるか、また、間隔はどうかを確認し、ラミナリアを抜いたあとの内診の結果をふまえて、誘発分娩をおこなうかどうかの最終判断がなされます。
いよいよ陣痛促進剤!……の前に
誘発分娩を予定していたのに、ラミナリアを挿入した刺激で、陣痛が来てそのままお産になるケースもあります。お産に至らなくとも、陣痛が来ている場合もあるので、促進剤を使うかどうか、医師が判断していくことになります。
その一方で、私が働いていた病院では、あまり使用することはありませんでしたが、ラミナリアを抜いたあと、メトロイリンテルという水風船のようなものを子宮の中に入れて、さらに子宮頸管の熟化を期待する場合もあります。よく「バルーン」といわれているのがこの処置です。このバルーンは、お産が進んでくると自然に抜けるのでそれまではそのまま経過をみていきます。
分娩誘発といっても、促進剤を使用するまでにはいろいろ確認事項があるんですよ。次回は、いよいよ陣痛促進剤についてお話ししますね。
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