唯一の会話は「おやすみ」という日々
更年期障害で苦しんでいる間は、とにかく周りがまったく見えていませんでした。子どもの学校の支度や宿題、家事だけはなんとかこなそうとしましたが、それ以外は家族と話すのもおっくうに。子どもは無邪気に際限なく話しかけてくるので私も話しますが、夫とは必要最低限の伝達事項しか伝え合わなくなりました。
夫は寡黙なほうではないのですが、私の感情を読むのがうまいため、黙っていると夫からも話しかけてくることはありませんでした。しかし、感情を読むのがうまいとは言っても、私に対してやさしくするとか育児や家事などを代わりにしてくれるような気づかいは持ち合わせていないわが夫。
そのため、週末は子どもの習い事などに出かけると夫もそれに合わせ外出してしまうので、就寝するときの「おやすみ」という言葉が唯一の会話という日々が3カ月ほど続きました。
会話しようと思っても空回りばかり
夫と話をしようと思っても、会話のない日々を過ごしてしまうと、前のように話すのは難しくなってしまいました。私たちの場合には、主に3つのことが原因で会話が途切れることに。
1つ目はタイミングです。夫が話しかけてきてくれても、私は夕食作りに没頭していたり、子どもの宿題チェックに忙しかったりで生返事ばかり。そうこうするうちに、夫も私に話しかけなくなってしまいました。
2つ目は私の感情的な言葉です。私の更年期障害の症状は、いきなり涙がボロボロ流れたり、急にイライラしてしまったりすることでした。普段は気にしない言葉でも感情的になっていると、夫の何げない言葉にもついつい絡んでしまうように。「無理しないでいいじゃん」という夫の言葉についカッとなってしまい、「誰が掃除と料理をやるのよ!」と涙ながらに叫んだこともしばしばありました。
3つ目は夫の反応の少なさです。夫はある意味素直な人なので、自分に興味のない話などは表情が固まることがあり、意見を求めても「うん」か「へー」しか言わないことも。最初は怒っていたのですが、徐々に怒るのも疲れてきてしまい、夫が興味のなさそうなことは話さないようになりました。
会話復活のためにおこなった3つの方法
私にとって夫は家族であり、恋愛感情などはもうないかもしれません。しかし、付き合う前から友だちだった夫ともう一度楽しい会話がしたくて、会話を復活させようと思いました。
最初にしたことは、夫の話を真面目に聞く、または聞くフリをすることです。ささいなことかもしれないですが、私は家事や自分自身のことに夢中で、話を聞くどころか夫の顔さえ見ないことも。夫の話はつまらない話も多いので、時には話を熱心に聞くフリをしていました。
次は夫の仕事について質問をするようにして、夫からも話させるようにしました。夫はある分野の講師もしていたので、得意分野の話ならば何時間でも話せます。最初は戸惑っていましたが、徐々に私の目を見て話すことも増えてきました。
最後にしたことは、夫と話し合うことや家事の分担などを思い切って頼んでみました。
夫もいきなりの変化に戸惑っていたそうですが、もともと友だちですので前のように話せるのはうれしかったようです。また、家事や子どもの宿題を手伝ってみて、初めて大変さを実感できたそう。夫は単純な人なので、2週間ほどで前のように話せるようになりました。
まとめ
育児や仕事、更年期障害など自分の身に降りかかることを必死でこなしていました。それがやっと収まり、周りを見る余裕ができたら夫との会話がなくなっていました。原因も解決策もすべてささいなことばかりですが、2週間後くらいには以前のように会話できるくらいまでに回復。私たち夫婦はこの方法で救われました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
イラスト/すうみ
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