隣の分娩室を見て夫が放った衝撃のひと言
私が出産した産院は、陣痛室などがなく、最初から分娩室に滞在するタイプだったので、出産に立ち会う夫と一緒に分娩室で過ごしていました。2回目の立ち会い出産だったので気持ち的にも余裕があったのか、待機中は周囲の観察をよくしていた夫。
私は4回目の出産で、陣痛時間が毎度長いので陣痛中に食事を挟んでいました。陣痛はつらいものの、食事の時間のときにはまだ食べる余裕があり、このときもしっかり完食。そして「お産を進めるために階段を歩いてきてね」と助産師さんから言われていたので、部屋から出てウォーキングすることに。
そして、私と一緒に部屋から出た夫が目にしたのは、隣の分娩室の人の食事が大量に残されたトレー。夫が放ったひと言は「もったいねー。俺が食べたいわ!」でした。
食べることが大好きな夫は、食事が大量に残されていることが許せなかったようです。
陣痛中は食事どころじゃない!
私は夫の発言にあぜんとし、思わず叩きながら「まじでないわ! 陣痛がどんだけ大変かわかってないやろ! こんなに痛いのに食べられるわけないやろ!」と怒ってしまいました。
「え? 何でそんな怒るの?」と言い返してきた夫にいらついた私は、「おなかをくだしてひどい腹痛の最中に、ごはん食べられる?」と例をあげて陣痛のつらさを訴えました。しかし夫は「うん。食べられる」という返答。私は話が通じないと感じて無視することに。
それから私は無事に出産。出産後2日目、産院で夕飯が提供されたときに夫に「ごはんいる? 残された食事を見て食べたいって言ってたやん? いいよ?」と嫌みを言うと、夫は嫌みだとわかったようで、「ごめん。あのときは思ったことをそのまま口に出しちゃった……。栄養ある食事をしっかり食べてください」と謝ってきました。
陣痛の痛みがどれほどきついか、夫には想像もつかないのだろうなと実感した出来事でした。
私が陣痛中でもごはんを食べることができたのは、痛みのピークではなかったから。痛みのピークのときに食事が提供されていたら、食べる余裕はありませんでした。今思えば笑える話ですが、当時はとてつもなくいらついた夫の衝撃的なひと言でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:松谷 えりな/30代女性/令和元年生まれの息子と、平成28年、平成30年、令和2年生まれ娘たち4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
イラスト:ミロチ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年8月)