友だちの「初潮がきたよ」報告
小学6年生のころ、女の子の友だち数人と遊んでいるとき、その中の1人が「絶対、誰にも言わないでね」と前置きして「初潮がきたよ」と言いました。
生理は血が出ることを知っていた私は「大変だねえ。私はまだでよかった」と思ったのですが、そのとき一緒にいたほかの女の子たちが「実は、私も生理きたんだよね」と声を揃えるように話し出したのです。
その中で初潮がきていないのは、私ひとりだけ。生理の話で盛り上がる友人たちを見て、その場にいづらくなった私は「ピアノのレッスンがあるから、またね」と友だちに嘘をつき、走って家に帰ってしまいました。
なんで私だけ?
友だちに嘘をついて家に帰った私は、しばらくの間「なぜ私だけ?」と考えていました。母に相談するのも恥ずかしく、かといってインターネットのない時代にこっそりと答えを見つける術もなく……。
今、思えば小学6年生のころの私は、学年で1番背が低く痩せていて 「初潮がきたよ」と言っていた友人たちとは体格に差がありました。
初潮のタイミングに差があるのは当然かもしれませんが、そのときの私は “自分だけ初潮がきていない” という現実を目の当たりにして、ショックを受けてしまったのです。
結局「まだ小学6年生だもん。中学生になったらくるはず」と考え、その後は初潮のことを気にしないようにして過ごしていました。
中学1年生になると…
しかし、中学1年生の夏になっても生理がくることはありませんでした。
プールの授業を生理で見学する女の子たちを見ては「そういえば中学生になったのにまだ初潮きてないな」と悩んでいて……。
「もしかしたら、私の子宮は初潮のことを忘れて眠っているのかもしれない。ノックをして起こしてあげたら初潮がくるかも……」と、今では体によくないとわかるのですが、当時はそんなトンデモ理論を考え出し、おなかをコツコツと軽く叩いていました。
また、腹痛があるときにはすぐにトイレに駆け込むなど、初潮のことをとても気にしていたように思います。
体を軽く叩いていたこととは関係ないと思いますが、その年の冬に私はようやく初潮を迎えました。
あんなに待ち望んでいた初潮でしたが、経血を見た途端気分が悪くなってしまい、初潮の喜びは消えてしまったのを覚えています。
生理がきたことを母に報告すると、「おめでとう」と笑顔で言ってくれました。その日の夕食はお赤飯。父から「お、今日は祝いごとか?」と言われて、少し恥ずかしくなった思い出です。
当時は初潮で落ち込んだり悩んだりと、忙しい毎日でした。生理では、生理痛など大変なこともありますが、これからもうまく付き合っていけたらいいなと思います。
著者/吉野 詠美
イラスト/まっふ
監修/助産師 松田玲子
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