産後うつになった私と、性欲が変わらない夫
第1子のときはわりと安産だったのですが、第2子を出産するときは陣痛促進剤を使ったり帝王切開になったりと、私の体には思った以上に負担がかかりました。そのためか、1人目を出産したときよりも、2人目を産んだあとのほうが、体が完全に回復するまでかなりの時間を要しました。
その影響もあるのか、産後半年が経っても私は夫とスキンシップを取りたいとは思わず、それどころか日々の家事や育児に追われ、産後うつのような状態になってしまいました。
そんな中、夫からは産前と変わらぬ頻度で「スキンシップを取りたい」と猛アピールされてしまい……。
私はどうしてもそんな気分にはなれず、妻の身を心配するでもなくただただ自分の欲望を満たしたいがために誘ってくる夫に対し、嫌気が差して冷たい態度を取るようになったのです。
夫が帰ってこなくなり…まさかの不倫発覚!
2人目の出産からおよそ7カ月が経ったころ、本人曰く「急に仕事が忙しくなった」とのことで、夫の帰りが遅い日が続くようになりました。加えて、「今夜は夕食はいらない」「具合が悪いから明日食べる」と、食事を残す日が出てきたのです。結婚してから5年が経過していたのですが、今までに夫が食事を残したことはほとんどなかったので、私は「もしかしたら何かあるのでは?」とすぐにピンときました。
それ以外にも、夫は明らかに怪しい行動を取るようになったのです。例えば、お風呂やトイレに必ずスマホを持ち込むようになったり、今まで設定していなかったのに急にスマホにロックをかけたり。
そしてその理由が明らかとなるときが。夫の車のドライブレコーダーを確認したところ、夫が同僚女性の家へ通っていることが映像からわかったのです。私はすぐさま夫に事実を確認し、相手女性にも謝罪をしてもらいました。
今でもこの件で夫と相手女性を許す気持ちは1ミリたりともありませんが、振り返ってみると産後うつを理由にして夫とのスキンシップを拒み続けていた私にも、少なからず原因があったなと反省している部分もあります。
夫婦関係を見直すことに
夫の不倫が発覚したあと、何度も話し合いを重ねた私たち。私から「出産後で体がボロボロになっていたし、家事や育児に追われていてセックスする気持ちにはなれなかった」と伝えたところ、夫は「君に必要とされておらず、家に自分の居場所がないように感じていた」「もっとスキンシップを取りたかった」と、今まで抱えていた気持ちを打ち明けてくれました。
こうした話し合いの中で、私たちは両者が納得できる折衷案を考えることに。そして、行為はせずとも週に一度は「夫婦の時間」を作ることにしたのです。
子どもたちが寝静まったあと、リビングで一緒にゲームをしたり、お菓子を食べたり、映画を観たり。週に一度の「夫婦の時間」を設ける日は、いつものように子どもを間に挟んで寝るのではなく、夫婦で並んで寝るようにもしました。
すると、これらが習慣化されたころに私の産後うつはかなり改善され、次第に以前のような頻度で自然と夫婦の時間へ……という関係に戻ったのです。
今振り返ってみると、2人目を出産したばかりのころの私は自分の中でイメージする「理想の妻」像を実現するために、「家事も育児も完璧にこなさなければ」と自分自身を追い詰めてしまい、苦しくなっていたように思います。もちろん不倫は悪いことではありますが、結果的には夫の不倫がきっかけで、夫の気持ちをないがしろにしていたと気づくことができました。
夫の不倫を機に本音をぶつけ合うことができたからこそ、私たち夫婦はレスを乗り越えられたのだと思います。今では週1の夫婦の時間に何をして過ごそうかと、お互いが毎週末を楽しみにしています。
著者/なかまるあゆみ
イラスト/赤身まぐろ
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!