ゆであずきやあずき茶でおいしく健康に
――あずきのおすすめの食べ方を教えてください。
石原先生 まずはゆであずきです。乾燥あずき300gを水洗いして鍋に入れ、1Lほどの水を加えて中強火にかけ、煮立ったらあずきをザルにあけて煮汁を捨て、アク抜きをします。あずきを水洗いして鍋に戻し、あずきの4~5倍の水を入れて中弱火にかけ、煮立ったら弱火にして15分ほど煮てからザルにあけます。このときの煮汁は取っておいてください。
――煮汁は何に使うのでしょうか?
石原先生 あずきの煮汁の中には、ポリフェノールやサポニンといった抗酸化作用が高い健康成分が溶け出しているんですね。捨ててしまうのはもったいないので、あずき茶として飲むんです。煮汁をそのまま飲むのはもちろん、紅茶と合わせたり、炭酸水で割ったりしても飲みやすいです。ノンカフェインで添加物も入っていないので、妊娠中の方やお子様も安心して飲めるお茶なんです。
――ヘルシーで健康効果が高い飲み物なんですね。
石原先生 そうなんです。あずき茶には別の作り方もあるんですよ。
――ぜひ、教えてください。
石原先生 乾燥あずき大さじ4を水洗いしてザルにあけて水分を拭き取り、フライパンに入れて中弱火にかけて10分ほど炒ったものを、1Lのお湯で30分ほど煮出すんです。炒ることで香ばしい風味が出て、あずきの煮汁のあずき茶とはまた違った味わいを楽しめます。
――ゆであずきはどのように食べるのが良いのでしょうか?
石原先生 チキンライスに混ぜて炒めてオムライスにしたり、肉豆腐やポテトサラダに混ぜたりなど、主食やおかずに混ぜるとおいしく手軽にとることができます。私には中学生と小学生の娘がいるのですが、2人ともカレーに混ぜたりスープに入れたりしてよく食べています。
「発酵あずき」で理想的な腸内環境に
――ゆであずきのほかにも、おすすめの食べ方はあるのでしょうか?
石原先生 乾燥あずき150gで作ったゆであずきに乾燥米麹200gを加えて炊飯器に入れ、フタを開けたまま布巾をかぶせて保温モードで8~12時間発酵させる発酵あずきもおすすめです。
――発酵あずきにはどのような効果があるのでしょうか?
石原先生 栄養価の高いあずきを米麹と合わせることで、体に良い菌もとれるという点が一番の効果です。
麹菌や納豆菌、乳酸菌など、体に良い菌をとることが腸内環境を整えることにつながることは多くの人が知っていると思います。でも、体に良い菌が腸の中で増えていくには食物繊維という餌が必要だということはあまり知られていないんですね。
――「乳酸菌ドリンクを飲んでいるからおなかの調子は大丈夫」というわけではないんですね。
石原先生 そうなんです。理想的な腸内環境を育むには、有益な菌を積極的に体にとり入れる「プロバイオティクス」と、善玉菌の餌となる食物繊維を供給する「プレバイオティクス」を同時におこなうことが大切なんです。発酵あずきは、麹菌と食物繊維たっぷりのあずきを同時にとれるので、食べるだけで理想的な腸内環境に近づけることができる食材なんです。
――発酵あずきのおすすめの食べ方も知りたいです。
石原先生 お砂糖を入れなくてもほんのりと甘いので、そのまま食べるだけでもおいしいです。トーストに塗ったり、おかゆに入れたり、ヨーグルトに混ぜたりするのもおすすめです。
市販のゆであずきの缶詰やパウチの活用もおすすめ
――「ゆであずきや発酵あずきを作ってみたいけれど、時間がない……」という人におすすめの方法がありましたら教えてください。
石原先生 たしかに、あずきを煮るのには時間がかかりますよね。私はゆであずきをまとめてドーンと作って、小分けにして冷凍しています。料理をする時間がない方には、缶詰やパウチタイプのゆであずきを使うのがおすすめです。
――ゆであずきやあずき茶、発酵あずきは、どれくらいの量をとれば良いのでしょうか?
石原先生 私のクリニックに来院する患者さんには、あずき茶は1日に100~200ml、ゆであずきや発酵あずきは大さじ3程度を目安にとってくださいお伝えしています。とはいえ、もともと体に良い食材なので、特に限度量はないんですね。体は日々、栄養素を消費していますから、一度にたくさん食べて飽きてしまうよりも、毎日、少しずつでもとり続けることが大切です。
不調なく健康的に過ごせるような体になるためにあずきはとても効果的な食材ですし、自分自身が変わる実感も得られます。揺らぎやすい年代を健やかに過ごせるよう、毎日の生活の中にあずきを取り入れてもらえたらと思っています。
<著書>
『メタボ&むくみを撃退! 血圧、血糖値を下げたいなら発酵あずきとあずき茶をとりなさい』
石原新菜/著 木村幸子/レシピ協力 藤井寛/協力
WAVE出版/1500円+税
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