優香(ゆうか)は先日第一子を出産し、今は実家にて初めての育児に奮闘しています。息子の陽太(ようた)は夜泣きがひどく、寝不足に……。自宅に戻った後は夫の宗一(そういち)と2人で協力していかなくてはなりません。しかし、宗一は優香が妊娠中、家事をすることはほぼありませんでした。不安を感じながら自宅に帰った優香ですが、予感は的中。いえ、それ以上につらい現実が待ち受けていたのでした。
里帰りから戻ると…
「信じられない」 自宅に戻った優香は、大きなショックを受けます。なぜって、嫁いびりのひどい義母がわが家で待ち構えていたのですから。しかも、「これからよろしく」 と言うのです。じつは、宗一と義母は勝手に同居を決め、すでに生活を始めていたのでした。このとき義母の実家はもう売却されており、義母には戻る先がありません。孫もできたのだから嫁姑問題はもう解決、家事を任せられるしいいじゃないかと宗一は言うのですが、そんな簡単な話ではありません。
案の定、義母は手伝うどころか、いろいろ仕事を言いつけてくるばかり。宗一も結局は変わらず、優香におんぶにだっこ。しかも、手を出さないのに、口は出すという始末の悪さです。優香は限界に達し、同居の解消を申し出ます。そもそも住んでいる家は、優香の祖父から受け継いだもの。同居を解消してくれないなら、宗一と義母を追い出すしかない、そう優香は考えました。
「母さんとの同居が嫌なら子ども置いて出て行けw 」
「あなた達も早めに出て行ってね。その家取り壊す事にしたから」
「え……? 」
話し合いのとき、優香はこっそり実家へ戻っていました。陽太の世話をしながら、2人には奴隷のようにこき使われて……。もうヘトヘトだったのです。出かけたきりなかなか帰ってこない優香にしびれを切らした宗一が連絡してきました。その第一声は「俺たち、おなかが空いたんだけど」 。優香は親子に呆れてしまいました。そして、陽太を連れて荷物を取りに戻ったら息子を取られかねないと考えた優香は、両親や親戚に助けを求めることにしたのです。
とうとう暴かれた親子の悪事
家の取り壊しを本気にしていなかった宗一は、優香の家族が荷物を運び出したとわかるやいなや、慌てて連絡をしてきました。優香は彼らに1カ月の猶予を与え、その間に引っ越しをしてもらい、また離婚の話し合いもしようと提案したのですが……。宗一は離婚に同意しません。これからは心を入れ替えるけれど、でも俺は家族のために働いていただけなんだ、親を思っていただけなんだと言うのです。それを聞いた優香はチクリ。
「不倫しているあんたが家族のために働いているって、よく言えるね」
優香の妊娠中、そして里帰りから戻った後、宗一の帰りが急に遅くなり、それが続くときがありました。浮気を疑った優香が両親に相談したところ、探偵に調査を依頼することに。結果は……まっ黒。離婚に踏み切るきっかけになりました。
「育児も家事もしない、義母からも守ってくれない、挙げ句不倫をしている夫なんていらないでしょう?」
ちなみに、優香の家族が荷物を運び出すとき、義母はおもしろいことを教えてくれたそうです。宗一は不倫相手の方を好んでおり、優香はすでに捨てられていると。そして息子から頼まれて、息子が不倫しやすいよう義母が優香に用事を言いつけまくっていたことも暴露してくれました。とんでもない親子ですね。
家が取り壊され始めると、宗一たちはようやく状況を理解して転居。弁護士を交えた話し合いで自分の言い分が通らないとわかると、宗一はやっと離婚を承諾しました。
チャンスというものは…
話し合いの最中、離婚はしたくない、もう1度チャンスをくれと何度も食い下がってきた宗一ですが、優香は絶対に首を縦に振りませんでした。妊娠中から優香は何度か離婚を考えましたが、夫がまた戻ってきてくれるならとひそかに思いとどまってきました。しかし最後には、宗一はチャンスを与える価値もない男だということがよくわかったのです。慰謝料と養育費の半額は一括でもらいました。そして残りの半分はこれから払ってもらうことに。不倫相手からも慰謝料がもらえるので、息子の大学までの学費分は心配しなくてもよさそうです。
あれだけ仲の良かった夫と義母は、険悪な雰囲気に……。元夫は怒りの矛先を義母に向けたのです。義母を捨てたい夫と、何がなんでも離れようとしない義母で大変な毎日になってしまいました。優香は、2人のいがみ合いが永遠に続くことをひそかに願うのでした。
シングルマザーとしてこれから頑張っていく優香。育児は大変だけれど義母と同居しているときに比べたら数倍マシなのだそう。父親のいない分、陽太に寂しい思いをさせないよう、誰よりも大切で大好きな存在だと、日々伝えていく予定だそうです。これからも陽太との時間を大切にして、今度こそ幸せな毎日を過ごしてほしいですね。