妊娠8カ月目に入った麻由里は、我が子に会える日を楽しみに過ごしています。そんな麻由里のもとに、離婚してシングルマザーになって以来、実家に寄り付かなくなった義姉から突然連絡があって……。
義母にも秘密のお願いとは…?
離婚後、どこに引っ越したのかも分からなくなっていた義姉から、麻由里のもとに突然連絡がありました。義母が心配しているから、連絡してあげて欲しいと伝えますが、あまり気乗りしない様子です。
麻由里が、今妊娠中であることや、義姉の弟でもある夫は長期出張中であることなど近況を伝えると、義姉も用件を話し始めます。どうやら、義姉は仕事がやっと決まったのに、一人娘のアイを預ける場所がなくて困っているようです。そして、しばらくの間、麻由里にアイを預かって欲しいとお願いされたのでした。
麻由里はもうじき臨月に入る体なので、とてもじゃないけれど難しいと断りますが、義姉は実母には頼りたくないと言い、秘密で預かってもらえないかと再度お願いされてしまいます。
義姉の事情も理解した麻由里は、今月末までの短期間ならと渋々承諾したのでした。
約束した日を過ぎ…話が違う!
面倒を見る約束をしていた期限を過ぎても、まだ当たり前のようにアイを預けに来る義姉。おまけに、今回のお迎えは1週間後になるとのこと。臨月に入って出産予定日まで2週間となっている麻由里にとって、さすがに子守は大きな負担になっています。
しかも麻由里は最近体調が優れず、立ちくらみもあるような状態。今後は義母に預けて欲しいとお願いしますが、それだけはできないと断られてしまいました……。最初の話と違う……。そう思いながらも、麻由里にはもう1つ気になることがあったので、ついでに義姉に聞いてみます。
「これまできちんとご飯を食べさせていましたか?」
アイは麻由里の家では勢いよくごはんを食べるのに、体つきがとても華奢で、そのことが引っ掛かっていました。しかし義姉は、小食なだけだからと言い張るので、その言葉を信じるしかありませんでした。
娘がいないと困る…その言葉の真意
「子ども迎えに来たけどあんたどこ?」
「妊婦なのにこんな夜中に出掛けてるとかヤバ過ぎw」
3日ぶりに連絡をしてきた義姉。話している相手は麻由里ではなく……
「母ですけど、あんたこそ何してるの」
なんと麻由里は、アイの面倒を見ているときに体調を崩し、病院へ行ったところ入院になりました。義母にこれまでの経緯を話し、義姉から連絡がくるからと携帯電話を預けていたのです。
義母は義姉の元夫・裕介に連絡をしてアイを迎えにきてもらったのですが、パパの顔を見たら安心したのか、アイはすべてを話してくれました。ママがいつも男の人と遊んでいて、自分が1人にされていること、近所の人が見ているから泣いたらダメだと言われていること……。聞いているだけで胸が痛むような話ばかりです。
数日後、さらに発覚したのは、裕介から多額の養育費をもらい、働かずに遊び歩いていたという事実でした。アイがいないと困ると何度も言っていたのも、親権を取られてしまうと養育費という収入源がなくなってしまうから……。
結局、アイは裕介が育てることになり、今は毎日幸せに暮らしているようです。義姉は、無一文になって麻由里の所へお金の無心に来ましたが、丁重にお断りしてそれっきり。そして無事にかわいい息子を出産し、夫とともに子育てを楽しんでいます。
アイのためにも、義姉の裏の悪事が判明して本当に良かったですね。たとえ間違っていたとしても、小さな子どもの異変に気づいたら、地域が動いてあげられるような体制作りが大事だと気付かされたエピソードでした。