彼との出会い
大学を卒業した4月、教員免許を取得した私が初めて配属されたのは中学校でした。1年生の副担任となり、サッカー部の副顧問を受け持つことになった私。ダメンズは2年生の担任でサッカー部の主顧問を任されていた人でした。そのため、私とは担当学年も担当教科も違いましたが、部活では必ず顔を合わせることになり、必然的に一緒にいる時間が長くなりました。
私の中での彼の最初の印象は、とてもやさしい人。教員1年目の私にわからないことを教えてくれたり、休みの日は無理して部活にこなくてもいいよと、やさしく声をかけてくれたりしました。
熱烈アプローチを受け…
しかし、しばらくすると彼の本性が明らかになっていきました。なぜか、まわりの先生に私の悪口を言いふらし始めたのです。自分で言うのもなんですが、私はまわりの先生から好かれていたので、「大丈夫? 何か言われても気にしなくていいよ」と心配して味方になってくれる先生が多かったです。
裏では私の悪口を言いふらしている彼ですが、なぜか部活の時間に私と2人きりになると、途端にとてもやさしくなります。例えば、部活で必要な探し物をしていると「一緒に探してあげようか?」と声をかけてきたり、「今日かわいいじゃん」と褒めてきたり……。そんな彼に対し、私は「この人は何を考えているんだろう?」と戸惑いながらも、私の中で彼は気になる存在になっていったのです。
ある日、今でも思い出すほど忘れられない出来事が起こりました。部活の練習試合が終わって現地解散となったとき、彼から「このあと時間ある? 俺の家で軽く飲まない?」とお誘いを受けたのです。
今思えばやめておけばよかったのに、2人きりのときに驚くほどやさしい彼に惹かれていた私は、甘い言葉に誘われて家に行ってしまいました。
お酒の入った彼は…
すると、彼の家はまさかの一軒家で、辺りを見回すと女性用の小物などがあちこちに並んでいたのです。「彼女か奥さんがいるんですか?」と尋ねると、「昔一緒に住んでたけど今はひとりだよ」とのこと。私は一旦彼の言い分を信じることにして、そのあとは2人でお酒を飲み始めたのですが、酔いが回った彼は私の体に触ってきて「やっぱり若い子の肌っていいなぁ……うちの嫁さんとは違うわ」とポロッと漏らしたのです!
彼と2人きりでいると、とてもやさしくしてくれて幸せに感じていたのに、どうやら彼は既婚者だったようで……。そのあとのダメンズは「嫁さんよりかわいい」「嫁さんよりきれい」の言葉を繰り返してきて、一気に幻滅しました。そう言いながら私の肌に何度も触ってきたので、きっと体目的なのでしょう。そう思うと、より彼への気持ちが冷めて鳥肌が立ってしまいました。
今までずっと熱烈にアプローチしてくれていて、私のほうも彼のことをなんとなく「いいな」と思っていたからこそ、私の内面なんてまったく見てくれていなかったんだと思うと、なんだかとても悔しくなりました。
奥さんがいるのに、おそらく体目的で私にずっとアプローチをし続けていた彼。2人きりのときはとてもやさしく接してくれるのに、職場の同僚たちには私の悪口を言って間接的に私のことを傷つけ続けていたのは、ただただ私を振り回すための行動だったのかなと今になって思います。
過去のこの出来事はとても苦い思い出ですが、それからは誰かと付き合う前に「相手の本性をしっかり見極めよう」と慎重に相手を見極めるようになり、結果的に一途でやさしい夫と結婚することができました。
著者:松谷 えりな/30代女性・4児のママ。教員免許保持。子ども4人と夫、ペットのわんちゃん1匹と暮らしており、趣味は子どもたちといろいろな公園へ遊びに行くこと。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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