母から告げられた「あること」
中学生のころ、初潮を迎えた時期と重なるようにしてワキガ症状が気になるようになりました。はじめは自覚症状がなく、「なんだか変な臭いがするなぁ」と思っているくらい。けれどある日、母親から「つらいかもしれないけれど、友だちに指摘される前に言っておくわね」と脇の臭いについて言われたのです。
実は家族もワキガだったようで、どのような対策をすればよいか教わりました。それからは毎日、通学前に制汗剤などを使って対策することになったのです。
私ってこんなに臭うの?!
ただ、それまで美容などに興味がなかった私にとって、「毎朝必ずケアをする」というのはハードルが高いことでした。ある夏の日、うっかり制汗剤を塗り忘れて登校したことがあります。
授業が開始してからそのことに気づき、ムワッと脇のあたりから不快な臭いがしたときは生きた心地がしませんでした。はっきりと「自分の脇が臭い」と自覚したので、隣や後ろの席の人になにか思われていたらどうしようと、冷や汗がだらだら……。
とにかく早く休み時間になるのを祈るようにして待っていました。授業を終え、トイレにかけこみ制汗剤を塗って事なきを得ましたが、初めて痛烈に「私ってこんなに臭いがするんだ…」とショックを受けたのと同時に、きちんと対策をしようと肝に銘じた失敗です。
思春期真っ只なかの私にとって、「ワキガである」という事実はとてもショックなものでした。あの失敗以降はまめに制汗剤を塗り、対策に気をつかっています。制汗剤を塗っていれば臭いも落ち着いていますが、いつか治療も考えたいなと思っている今日この頃です。
著者/田中みみ子
イラスト/藤まる
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