なぜ首が腫れる?
「甲状腺」が腫れている可能性が
太く見え、腫れているように見えるのは首ではなく、首の前にある臓器の可能性があるそうです。
「首の前部、喉仏のあたりにある臓器を甲状腺といいます。甲状腺は甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器。甲状腺ホルモンは体のさまざまな機能を活性化させるもので、女性ホルモンと似た働きをします。
甲状腺が腫れているのは、甲状腺ホルモンの分泌が何らかの原因で、急激に減ったり増えたりしているサイン。甲状腺が腫れている人は他にもさまざまな症状を感じているはずです」(駒形先生)。
甲状腺異常にはどんな病気がある?
代表的な病気はバセドウ病と橋本病
「甲状腺異常にはさまざまな病気がありますが、代表的なものはバセドウ病と橋本病です。
バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されてしまう病気で、橋本病はその逆で甲状腺ホルモンの分泌が少ないことで起こる病気です。
ともに、男性より女性の患者が多い病気です」(駒形先生)。
【バゼドウ病の主な症状】
・ 暑がり
・ 多汗
・ 動悸がする
・ 体重が減る
・ 食欲旺盛
・ 手足が震える
・ イライラする
・ 頻便
・ 眼球が出る
・ 息切れしやすい
・ かゆみがある
・ コレステロール値が低い
・ 生理不順
【橋本病の主な症状】
・冷え症
・低体温
・うつっぽい
・貧血
・むくみやすい
・体重が増える
・やる気が湧かない
・物忘れしやすい
・筋力低下
・便秘がち
・体が思うように動かない
・眠気を感じやすい
・皮膚がかさつく
・声がかれる
・足がつりやすい
・生理不順
・コレステロール値が高い
「どんな症状が出るかは個人差があり、程度も人それぞれです。20代から発症する人も多いので、40代、50代に多いというわけではありません。
ただ、若いころから発症していたものの軽くて気が付かず、40代、50代になって加齢で症状が重くなったことで気付くケースがあります。
バセドウ病、橋本病の共通する症状は倦怠感です。
倦怠感だけではなかなか受診に結び付かないことも多いですが、首の前部に腫れやしこりがある場合は、受診して血液検査を受けたほうが良いでしょう」(駒形先生)。
甲状腺の検査はどこで受けられる?
内分泌内科で詳しく検査を
甲状腺の病気が気になるときは、どこを受診すると良いのでしょうか。
「人間ドックなどでおこなう一般的な血液検査では、甲状腺ホルモンは調べません。甲状腺ホルモンの詳しい数値を調べてもらえるのは、内分泌内科です。甲状腺外来でも良いでしょう。血液検査だけでなくエコーでも検査してもらえるので安心です。
甲状腺の病気の原因は、まだよくわかっていません。ただ、遺伝の可能性は指摘されていますので、親族に甲状腺の病気がある方がいる場合は受診するとき医師に伝えてください」(駒形先生)。
まとめ
アーティストの絢香さんがバセドウ病を公表して休業に入ったニュースが記憶にありますが、まだまだマイナーでよく知られていない甲状腺の病気。症状が軽く、自覚症状がほとんどない人も多いそうです。しかし、これからは加齢とともに体のいろいろな機能が衰える時期。気になる症状があれば早めに検査を受けましょう。
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