疲れたら痛む奥歯。原因は親知らず?
私は大学卒業後、地方大手のスーパーマーケットへ就職し、正社員として親よりも年上のパート・アルバイト従業員をまとめながら働いています。入社当初は若さを武器に、体力が続く限り毎日をフルスイングで仕事に打ち込み過ごしていました。
そんな状態が何年も続くとさすがに体に限界が来たのか、クリスマスや年末年始などの繁忙期に入ると、疲れが取れない日は奥歯に痛みを感じるようになったのです。ついに痛みに耐えきれなくなった私は、繁忙期を乗り切ったところで歯科医院を受診。検査の結果、私には親知らずが左右上下にあり、特に右上下の親知らずが虫歯になっているのが痛みの原因だということが判明しました。
親知らずを取り除くには歯茎を切る必要があるそうで、後日口腔外科のある大きな病院を紹介されて受診。そこで手術をおこなって、右側の親知らずは無事抜歯してもらいました。その後は痛むこともなく、無事にいつも通りの生活を送れるようになったのです。
左側の親知らずも抜歯しようと思い
時は流れ、私は36歳になりました。結婚と出産を経て、残る左側の親知らずも抜いてしまおうと思い立ちます。そのとき、私は冷たいものや甘いものを食べると右奥歯が痛むことに悩んでおり、きっと虫歯ができているのだろうと考えていました。良い機会なので、左側の親知らずを抜いたついでに虫歯も治療してもらおうと思い、私は家の近くの歯科医院を受診しました。
歯科医院で症状を申告すると、案の定「虫歯でしょうね」と言われ、いざ歯の状態確認へ移ります。しかし、問題の右奥歯に差し掛かったところで、歯科衛生士の表情が曇りました。「口の中のどの歯にも虫歯は見当たらないのですが……ここの親知らずは、どちらで抜かれたのですか?」
私は、約10年前に口腔外科で抜歯したことや、抜歯後1カ月ほど通って問題ないと太鼓判を押され、術後観察を終えたことを話しました。しかし、診察にあたっていた歯科衛生士と歯科医師は難しい顔をするばかりです。
痛みの原因は虫歯ではなかった!
さらによく診てもらった結果、なんと、私を悩ませていた痛みの原因は虫歯ではなく、親知らず抜歯後の歯茎の形成不良だったのです。歯をチェックしてくれた歯科衛生士と歯科医師は顔を見合わせ、「抜歯をおこなった病院が悪いわけでも、あなたが悪いわけでもないことは、ご理解くださいね」と前置きをしてから、申し訳なさそうに詳しく説明してくれました。
「これは抜歯後の歯茎の形成不良ですね。ここの親知らずは、横に向かって生えていませんでしたか? 親知らずを抜いた後、でき上がった歯茎が下がって形成されてしまっているので、残った奥歯の根元が露出して知覚過敏が生じているから痛むんですよ」とのこと。
一般的に、健康的な歯茎を持っている歯は、エナメル質という歯を保護する頑丈な層しか表面に表れていません。しかし、年齢などが原因で歯茎が下がっていくと、歯茎に覆われていた歯の根元部分が露出してきます。露出した根元部分にはエナメル質がなく、象牙質という熱や冷たさなどの刺激を感じてしまう部分が現れてしまいます。通常エナメル質や歯茎によって守られている象牙質が現れると、刺激が歯の神経に届きやすくなり、そのたびに痛みを感じてしまうのです。知覚過敏は、この象牙質が表れて、刺激が神経に伝達されやすい状態になっていることをいうそうです。
私の場合、奥歯の歯茎が下がって形成されたことで、奥歯の象牙質が露出してしまい、そこに冷たいものや甘いものが当たるたび、虫歯かと間違うほどの痛みを感じているようでした。
歯科医師が言うには、現状知覚過敏に対する対処方法は少なく、乳酸アルミニウムや硝酸カリウムが含まれている知覚過敏用の歯磨き粉で神経の感覚を鈍らせるか、高濃度フッ素の入った歯磨き粉で再石灰化させてふさぐようにするしかないというのです。定期的に歯科検診に通い、もっと早く異常に気付いて、こんなに痛み始める前に対策しておけばよかったと感じた瞬間でした。
まとめ
手術痕がふさがり、傷はもう大丈夫と言われても、定期的な歯科検診がどれだけ重要なのかということを身に染みて感じました。その後、私は高濃度フッ素入りの歯磨き粉を使い始め、痛みを感じることは少なくなりました。しかし、やはりコストもかかるし、完治することはないため長い闘いになりそうです。
こうなるとわかっていれば、親知らず抜歯後も定期的にメンテナンスや確認に通ったのにな……と、悔やまれるばかりです。現在は、前回の教訓を胸に、左側の親知らず抜歯後もきちんとメンテナンスに通っています。目に見えない口の中だからこそ、自分は大丈夫と思わず、きちんと専門家に診てもらおうと思いました。
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