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「赤ちゃんポスト」開設から10年。救われた命と問題点

 

熊本市西区の慈恵病院で、今から10年前の5月10日に「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」が開設されました。当時、まだ子どもがいなかった私も、たくさんニュースなどで取り上げられ、その仕組みやメリットやデメリットなどが報道されていたのを記憶しています。そして、赤ちゃんポスト開設から10年経過し、改めてその意義などについて、メディアで取り上げられました。

 

赤ちゃんポストの利用実態

熊本県によると、親が育てられない子を匿名で受け入れる異例の取り組みは、幼い125人の命を未来へつなぐことができました。そのうち、生後1カ月未満の新生児が104人と大半を占めています。

 

中には、へその緒がついたままだったり、低体重など適切なケアを受けないまま預けられた赤ちゃんも増えていて、平成27年度には預けられた赤ちゃんの60%が治療の必要な状態でした。安全性が確保されないまま運用が続いていることは問題とされています。

 

救われた命のその後

赤ちゃんポストにより救われた命は、特別養子縁組が成立したり、里親に預けられたりとそれぞれの人生を歩み出しています。

 

その一方で、思春期を迎え、出自を知らずに育つ人権上の課題に直面しつつありますが、対応は現場任せで国や自治体の制度的検討は手つかずのままだといいます。

 

増え続けている相談電話

同院が開設した24時間対応の妊娠相談電話は、昼夜を問わず鳴り続けます。妊娠の仕組みすら知らない幼い声の相談から、不倫、貧困、相談相手がいない孤立など、内容はさまざま。2016年度の相談は過去最多の6565件にのぼったといいます。

 

赤ちゃんポストができて10年。たくさんの命が救われたという事実と、望まない妊娠や出産についての国や自治体の対策が進んでいないという現実。かんたんな問題ではありませんが、生まれてきた命が幸せな人生を歩んでいくために、積極的な取り組みが進められていくことを願います。(TEXT:東 裕子)

 

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