寝顔を見るだけの新婚生活
私がアパレル会社でVMDとして働いていたときのこと。入社したときから「必ずVMDになる!」と決意していた私は、厳しいトレーニングを経て入社から約2年後、念願のVMDになることができました。
ただ、この仕事が思った以上に過酷で、営業時間前にショーウインドーや店内のディスプレイを変えなければならないため、毎日6~7時の早朝出勤は当たり前。朝早くから出勤しても、退勤が20時や21時になるときもありました。そんな日々に、いっそのこと辞めてラクになりたいと思ったことも。しかし、仕事へのやりがいをとても感じていたので、そのまま続けることにしました。
VMDになってから1年後の30歳のときに夫と結婚し、同居を開始。当時の夫はウエディングプランナーとして働いており、週末は多数の結婚式があるため、帰りが夜中になることもしばしば。新婚にもかかわらず、仕事の時間や休みがまったく合わないため、お互い寝顔を見るだけの生活になってしまったのです。
大量の髪の毛が抜け落ちる私
夫とのコミュニケーションを図る時間さえ持てないことに、次第に「結婚した意味はあるのだろうか?」と自問自答するようになりました。そんな生活を続けて半年ほどたったとき、お風呂で洗髪しているといつも以上に髪の毛が抜けるように。また、何げなく手ぐしで髪の毛をとかすと、ごっそりと抜けるようにもなってきました。
最初は「毛周期によるものかな」と軽い気持ちでいたのですが、日に日に髪の毛が抜け落ち、気が付けば頭皮が透けて見えるほど薄くなってきたのです。すると、職場の人や友人から「髪の毛すいた?」「シースルーヘアーにした?」と言われるように……。
それからというもの、日に日に頭皮が薄くなっていくストレスからか、全部の髪の毛が抜け落ちる夢を見たり、急に泣いてしまったりと情緒にまで異変が起きてきたのです。
役職を降りることを決心して
職場の先輩に、「最近、髪の毛が薄くなってきていて悩んでいるんです」と相談すると、「友人も同じような症状になったとき、皮膚科を受診したら良くなったよ! 一度診てもらったら?」とアドバイスをもらいました。
皮膚科を受診すると、先生から「たしかに全体が薄くなっていますね」と言われ、「私生活で気になることはありますか?」と聞かれました。私は「夫も私も仕事が忙しくて、会話する時間が取れていなくて……。ちょっとストレスがたまっているかもしれません」と言うと、「そのストレスが原因かもしれないですね」とひと言。
先生の話によると、ストレスによる自律神経の乱れによって、抜け毛が起きる場合があるということでした。そこで、抜け毛治療に用いられたのは「ドライアイス治療」。このドライアイス治療は、脱毛部分に1秒程度ドライアイスを当てて軽い凍傷状態にさせることで、リンパ球の毛乳頭への攻撃をやめさせ、免疫機能を正常にしていくというもの。
普通のドライアイスが出てきたときは「本当にこれで治療するの!?」と正直びっくりしましたが、抜け毛が改善されるのであればと思い、治療を受けて様子を見ることにしました。
しかし、「ストレスの根本原因を見直さなければ意味がないのでは?」と思った私は、帰宅して夫と話し合いました。「〇〇(私)が悩んで苦しんでいる姿は見たくない。もう仕事は十分やり切ったんじゃない?」という夫の言葉もあって、VMDの役職を降りる決意をします。
それからの私は、夫との時間を大切にするために、パートに切り替えて働くようになりました。すると、今まで抱えていた重圧やストレスから解放されたお陰で、徐々に髪の毛が生えてくるようになり、半年後には元の状態に戻ったのです。
まとめ
それから35歳までVMDに携わりながらパートとして働きましたが、夫との時間だけでなく、自分の時間を持てるように。心に余裕ができたお陰で、大量の抜け毛が続くことはなくなりました。あのとき、思い切って決断したことは間違いではなかったなと今でも思います。
このことをきっかけに、限界まで無理をせず、誰かに助けを求めたり信頼できる人に相談したりして、ストレスをため込まないようにすることが大切だと思いました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/おんたま
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