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老けないための食事って?老化を防ぐ食材・老化の原因になる食材とは?【医師解説】

若いころに比べて疲れやすくなった、なかなかやる気が出ない、肌の衰えが気になる……。『50歳の分岐点 差がつく「思秋期」の過ごし方』が話題の精神科医の和田秀樹先生は、心身ともに揺らぎがちな更年期の時期を「思秋期」と呼んでいます。今回は、老けないための食事について解説をしていただきました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師和田秀樹先生

1960年大阪市生まれ。東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在は精神科医、ルネクリニック東京院院長、立命館大学生命科学特任教授、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。著書にベストセラーの『80歳の壁』(幻冬舎)など多数。高齢者専門の精神科医として30年以上にわたって現場に携わっている。
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細胞の炎症を防ぐ食材を食べて老化予防

――老けないために食事で心がけたほうがいいことを教えてください。

 

和田先生 私自身は、食べたいものを食べればいいと考えています。ただ、食べる際には“細胞の炎症を防ぐ食材”をできるだけ摂取するようにしています。

 

――“細胞の炎症”とはどのような意味なのでしょうか?

 

和田先生 アンチエイジングの権威として素晴らしい実績を挙げているフランスのクロード・ショーシャ博士は、「老化の原因とは、“細胞の炎症”である」と述べています。私たちの皮膚や髪、内臓、脳、骨など体のすべては細胞からできています。その細胞が傷ついてパフォーマンスを下げることがあらゆる老化の原因となる、という考え方です。

 

――細胞の炎症を防ぐ食材として、どんなものを摂取していらっしゃるのでしょうか?

 

和田先生 例えば、同じ脂肪でもオリーブオイルなどに含まれるオメガ9脂肪酸や、脂ののった魚に含まれるオメガ3脂肪酸は細胞レベルで必要な脂肪です。

 

一方で、マーガリンやマヨネーズに含まれるトランス脂肪酸、肉の脂身やバター、ラードなどに含まれる飽和脂肪酸は細胞の炎症を引き起こしてしまいます。

 

ですから、ドレッシングの代わりにオリーブオイルとレモンを絞ってサラダにかけたりなど、できるだけよい脂を摂取するようにしています。

 

肉を食べないと老化が進む

肉料理イメージ

 

――要介護状態にならないために、たんぱく質の摂取が大切というお話をよく聞きます。

 

和田先生 たんぱく質は筋肉や皮膚を作る材料となり、体にとっては欠かせない栄養素となります。ですから、たんぱく質をしっかり摂取することが必要です。

 

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、『サザエさん』の連載が始まった1946(昭和21)年当時、日本人が1日に摂取する肉類はわずか5.7gでした。そのころの日本人は1日に肉を1口かそれより少ない量しか食べていなかったんです。

 

しかし、2019年時点で103gにまで増加しています。日本人の平均寿命は年々伸びているのは、栄養状態の改善が大きく貢献していると推測できます。

 

私自身、肉を食べないことが老化の大きな原因の一つではないかと考えています。体格の差を考慮に入れても、日本人は1日120~150gくらいまで肉の摂取量を増やすべきだと思います。

 

――お肉が苦手な人はどうすればいいでしょうか?

 

和田先生 魚を食べればたんぱく質はもちろん、オメガ3脂肪酸も摂取することができます。豆腐や納豆など大豆食品にも良質なたんぱく質が含まれていますし、ミネラルや食物繊維も含まれています。女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンも含まれているので、女性にうれしい食材といえるでしょう。

 

 

必要な栄養素を摂取するためにバランスよく食べる

ワイン乾杯イメージ

 

――一般的には、食事はバランスよく食べることが大切だといわれています。

 

和田先生 その考え方は大事です。体にいいからといって1つの食品ばかりを食べていても健康にはなるのは難しい。体にはいろいろな栄養素が必要で、特に年齢を重ねるにつれて足りない栄養素による弊害が現れやすくなるんです。

 

そうした弊害をできるだけ少なくするためには、たくさんの種類のものを食べたほうがいいですし、場合によってはサプリメントで補うことも有効です。

 

――和田先生は普段からバランスのいい食事を心がけてらっしゃるのでしょうか?

 

和田先生 私はほぼ毎日、ワインを飲むのでワインに合わせた食事をするようにしています。赤ワインを飲む日はお肉、白ワインの日は魚という具合で、肉と魚を交互に食べています。結果的に、肉と魚を交互に食べることで栄養のバランスが取りやすくなっていると思います。

 

――和田先生の健康状態についてもお聞きしたいです。

 

和田先生 私は最大血圧が170mmHgくらいでコントロールしていて、朝の空腹時血糖値は300mg/Dl程度です。高血圧や糖尿病を放っておいたツケともいえる心不全という病気も患っていて、検査データだけを見たらボロボロです。でも、食べたいものを食べていますね。ですから、栄養は十分に足りていますし、精神的にも満たされているんです。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

<著書>

 

『差がつく「思秋期」の過ごし方 50歳の分岐点』和田秀樹著 大和書房/1300円+税

 

『50歳の分岐点 差がつく「思秋期」の過ごし方』和田秀樹著 大和書房/1300円+税

 

 

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取材・文/熊谷あづさ

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