レク夫さんが飲み会帰りに終電間際の電車に乗ると、冬なのにだるんだるんのタンクトップを着たおじさんが、泥酔しているのか、周りの乗客に対し大声で怒鳴り散らしていました。
関わりたくないと思い、すぐに目線をそらしたのですが、おじさんはレク夫さんめがけて歩いてくると、レク夫さんの足を踏みつけたのです。
それでも、関わりたくなかったレク夫さんは無視をしていたのですが、「聞いとんかワレコラァッ! おいワシを無視しとんちゃうぞ」と怒号を飛ばすおじさんに、肩でドンドンと押され、終いには胸ぐらをつかまれてしまいました。
レク夫さんが「放してください」と手で軽く払うと、「ギャー殴られた! いだいいだい助けてーッ! 殺される〜ッ」と大げさなリアクションをして、電車の床に寝転んでしまったおじさん。
さらに、「オメェ、次の駅で降りろコラァッ」と言ってきて……。
おじさんは迷惑行為の常習犯!?
レク夫さんとおじさんは次の駅で降りて、駅員さんを呼ぶことに。
車内でのやりとりを見ていたお兄さんが、「僕が証人になりますよ」と言ってくれました。
そこへ、「またあなたですか?」と駅員さんが駆けつけます。
駅員さんによると、このおじさんは迷惑行為を繰り返す有名人とのこと。
「彼が僕の足を踏んで、さらにタックルや暴言を繰り返してきて……」と、レク夫さんが起きたことを説明。
親切なお兄さんも、「僕、見ていましたけど、お兄さんはおじさんの手を振り払っただけで、暴力はしていないですよ」と証言してくれました。
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。次の電車でお帰りいただいて大丈夫ですから」
駅員さんにそう言われ、念のため、レク夫さんと証人のお兄さんは、連絡先などを提出して帰宅しました。
それから数週間が経ち、すっかり笑い話になったころ、レク夫さんの携帯電話に知らない番号から電話が。
「あなたは書類送検されたので、取り調べのために出頭してください」
まさかの、検察から電話がかかってきたのでした。
駅員さんに謝罪されて無事に帰宅したレク夫さんですが、まさか検察から電話がかかってくるなんて! 暴力を振るわれたのは自分なのに、書類送検されるなんて信じられませんね。
検察から電話がかかってくることなど、人生でそうそうありません。焦ってしまうのも当然ですが、書類送検されたからといって、その後に不起訴処分となった場合、前科は付かないようです。レク夫さんが不起訴処分になることを祈るばかりです。