こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。ようやく無事に出産したのに、赤ちゃんが生まれたら生まれたでママの心配ごとはつきません。とくに体重が多い・少ないということは、新生児期の赤ちゃんをもつママにとっては一喜一憂してしまうこと。今日は、赤ちゃんの体重増加率についてお話しします。
体重の増加を気にしすぎないで
小児科では、赤ちゃんの体重増加度は成長の指標として重要視されます。 でも、赤ちゃんの成長の指標としての優先順位は、体重増加度よりも、手足の動き、表情、首のすわりなどの運動機能(発達面)です。
その次に、頭囲が順調に増えているかどうか。体重は、それだけ見て「母乳が足りてない!」「育て方が間違えてる!」などと言えるほど、万能な情報ではありません。赤ちゃんが順調に育っているかは、さまざまな判断材料から総合的に判断することが大事で、体重はそのなかの指標のひとつにしかすぎません。
赤ちゃんの目安体重とは?
生まれてすぐから体重がガンガン増える子もいれば、母乳やミルクを飲んだ量に対してうんちの回数が多くて、体重に反映されにくい子もいます。寝てばっかりで哺乳意欲があまりない子、 集中して飲まない子、よく動く子も体重は増えにくいし、離乳食が始まってから一気にスパートかける子もいます。
WHO/ユニセフのガイドラインでは、母乳オンリーで育つ赤ちゃんの体重増加は下記の通りになっています。
・生後6カ月までは、1日の体重増加が18~30g(1カ月で500g増)
・生後6カ月で出生体重の2倍
・生後6カ月以上は1日に5g増程度に落ち着き、1カ月に200g増えれば問題なし
とはいえ、1日に何g増えるか?という指標は、ひとつの目安にはなるけれども、 同じようにおっぱいを飲んでいても、時期によって50g増/日のときもあれば、 10g増/日のときもあるわけです。
ほかの子じゃなく自分の子の成長を大切に
体重増加の速度は一定ではなく、日々変化していきます。 成長の過程で、成長加速の時期は何度か訪れ、そのとき一時的に体重はぐんと増え、 時期が終わればふたたび停滞します。
母子手帳の発育曲線の下限のラインに沿って、同じようなカーブを描きながら体重が増えていれば大丈夫です。ママは型にはめることなく、赤ちゃんのペースを大切にしてあげたいですね。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。