生理のつらさが理解できないA子
高校生のころ、A子とB子という友人がいた私。 3人でよく一緒に遊んでいました。
私たちはとても仲がよかったのですが、生理症状についてはそれぞれ違いがありました。A子は、生理がきてもおなかが痛くなったりイライラしたりすることがなく、いつもと同じ調子で過ごせるのだそう。しかし、B子は生理痛が重く気分も沈むそうで、生理のたびによく「つらい……」と言っていました。
そんなB子に対し、A子はしょっちゅう「ただの生理なのに?」「大げさだよ~」など、無神経な言葉をかけることがあり、2人は軽い言い争いをよくしていたのです。
私も生理痛には悩まされるタイプだったため、A子に対して「生理のつらさは人によって違うから、寄り添ってあげようよ」と言っていましたが、A子はなかなか理解してくれませんでした。
ついに大喧嘩が勃発!
そんなある日、A子は「今日の放課後、遊びに行こう」と私とB子を誘いました。しかし、そのときのB子は生理中だったらしく、「A子ちゃんにはわからないだろうけど、今日は生理痛がひどいから遊んでなんていられない」とトゲのある言い方で断ったのです。
すると、その言葉を聞いたA子は大激怒! 「前から思ってたけど、生理くらいで何なの!?」「もっとやさしい言い方はできないの!?」と、B子に詰め寄りました。
B子も、これまでたくさんA子に「生理くらいで大げさ」と言われイライラを抱えていたことから、2人は私の目の前で大喧嘩を始めてしまって……。
私も喧嘩に巻き込まれ…
私は「2人とも落ち着いて!」とA子とB子の間に割って入りますが、2人から「あなたはどちらの味方なの!?」と言われてしまいました。いきなり冷たい対応をされて腹が立つA子の気持ち、生理のつらさを理解してもらいたいB子の気持ち、両方わかるからこそ、私は返答に困りました。
私がうまく答えられずオロオロしている間も2人は暴言を吐き合い、言うことがなくなって喧嘩は収まりましたが、その場には気まずい空気が流れ、その日は遊ばずに帰宅することに……。
翌日には2人とも冷静さを取り戻し、お互いに「言いすぎてごめん」と謝罪していました。
この出来事があってから、A子はB子が生理でつらそうにしていると「大丈夫?」と心配するように。 そしてB子も、生理中であってもきつい言い方をしないように気をつけてくれるようになったのです。
生理のつらさは人それぞれだからこそ、お互いに思いやりを持たないといけないと学びました。自分の生理症状が当たり前だと思わずに、相手のつらさに寄り添えたらいいなと思います。
著者/ごとうゆき
イラスト/まっふ
監修/助産師 松田玲子
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