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40代以降に急増!「頻尿・尿漏れ」は老化でなく病気?受診しないとダメ?【医師解説】

1日に何度もトイレに行きたくなる「頻尿」や、くしゃみやジャンプしたときに尿が漏れる「尿漏れ」。ともに40代以降から増える排尿の悩みです。加齢や老化のせい、そんなことで受診なんて……とやり過ごしていませんか。数多くの頻尿や尿漏れの症例を見てきた泌尿器科医の窪田徹矢先生に、泌尿器科の診察や治療のこと、そして受診の目安について聞きました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師窪田 徹矢 先生

くぼたクリニック松戸五香院長。獨協医科大学医学部卒業。千葉医療センター、成田赤十字病院で研修を積み、国保松戸市立病院泌尿器科に勤務。その後千葉西総合病院泌尿器科にて医長、部長を歴任。2017年、くぼたクリニック松戸五香を開業。日本泌尿器科学会専門医・指導医。専門医である泌尿器科および皮膚のトラブル、生活習慣病を含めた内科まで幅広く診察。メディア出演も多数あり、医者YouYuberとしての情報発信もおこなっている。
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40代からなぜ頻尿と尿漏れが増える?

骨盤底筋

 

骨盤底筋の緩みが原因

頻尿や尿漏れは40代以降から増えてくるといいますが、それはなぜなのでしょうか。

 

「まず、大きな原因は骨盤底筋の緩みです。骨盤底筋とは、尿道、腟、肛門の周りを囲む筋肉の集まりで、ハンモックのように下から臓器を支えています。

 

更年期に女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、潤いや弾力が落ちて筋肉量も減少します。骨盤底筋もエストロゲンが減ることで緩み、臓器をしっかり支えられなくなります。排尿をつかさどる臓器が安定しないことで頻尿や尿漏れが引き起こされるのです。

 

特にエストロゲンの減少が本格化する、閉経後の50代は顕著です。40代から頻尿や尿漏れが起きる人は出産ダメージも大きな要因です」(窪田先生)。

 

膀胱が硬くなることも要因

「もう1つ、エストロゲンが減ることで膀胱の組織が硬くなり、動きも衰えることも要因です。膀胱の弾力性や活性が落ちると、尿をためることができず、ちょっとたまるとトイレに行きたくなります。これを過活動膀胱といい、年を重ねるごとに症状が重くなっていきます」(窪田先生)。

 

頻尿や尿漏れの受診の目安は?

泌尿器科のイメージ

 

老化と諦めず、少しでも悩んでいるなら早めに受診を

頻尿や尿漏れの症状があっても、老化や加齢だから仕方ないと諦めている人がとても多いと窪田先生は言います。

 

頻尿の定義は昼に1日8回以上、夜間頻尿は一晩で1回以上にトイレに行く、となっていますが、少しでも悩んでいるなら受診どきと言えます。

 

もちろん生活習慣を改善したり、セルフケアを始めるのはとても良いことです。ただ、専門医なら一人ひとりの症状に合わせたアドバイスができます。薬で良くなることも多いので、早く改善できる可能性が高いです」(窪田先生)。

 

そして、受診するならなるべく早めが良いと窪田先生は言います。

 

症状が軽いうちは改善する可能性が高いですが、重症化してしまうと手術が必要、または手の施しようがない、ということもあります。恥ずかしからずに専門医に相談してほしいですね」(窪田先生)。

 

 

治療はどのようにする?

受診のイメージ

 

薬と低周波治療を併用

とはいえ、泌尿器科はこれまで受診したことがない、という女性も多いでしょう。どんな診察や治療がおこなわれるのでしょうか。

 

「基本的には問診で排尿の様子を伺い、尿検査をおこないます。必要に応じてエコーで残尿検査をおこなうこともあります。婦人科のように下着を脱いで検査するようなことはほとんどありません※。

 

治療は薬と、症状に合わせて干渉低周波治療をおこないます。頻尿には膀胱をやわらかくする薬、尿漏れには骨盤底筋を強化する薬を処方します。

 

干渉低周波治療とは、簡単に言うと腰周りに電気を流して筋肉を強化する治療です。骨盤底筋を鍛える体操も指導するのですが、毎日継続できる人はごくわずかであるため、取り入れています。最初の3週間は週2回、その後は2週間に1回のペースで、保険適用内で受けることが可能です」(窪田先生)。

 

※検査の結果、がんの可能性がある場合は、膀胱内を調べる内視鏡検査(膀胱鏡検査)をおこなうことはある。

 

まとめ

頻尿や尿漏れは命に直接関わるものではないものの、生活の質を著しく下げてしまう残念な症状。しかも周囲の人には相談しにくいので、モヤモヤしている人も多いでしょう。そんなときは専門医に相談して、改善のサポートをしてもらってはいかがでしょうか。ひとりで試行錯誤するよりも改善する可能性が高く、早道だといえます。

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

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取材・文/岩崎みどり

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      私もちょっと病院行った方がいいのかな
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      まさにいま頻尿です。尿漏れもたまにするので、受診してきたほうがよさそうな気がしてきました、自分が。。

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