そんなある日、助産師さんに「経産婦さんだと無痛分娩にしても効き目がないうちに産まれてしまう場合がある」と説明を受けることに。しかし、白井さんの中で無痛分娩で産むという考えは変わらず、その意思をはっきりと伝えたのでした。
そして、計画無痛分娩を選択した白井さん。入院手続きを済ませたあと、採尿や血圧・体重測定、NSTなどをおこないます。その後、内診をした結果、先生がバルーンを入れることを提案してきたのです。
恐怖を感じながらもバルーンを入れた白井さんですが、1時間が経過し、生理痛のピーク時のような痛みを感じ始めたのでした。
おいしそうな昼食を目の前にすると…?
※陣痛促進剤は輸液ポンプを使用して投与します。
一時的に痛みがおさまったタイミングで、
白井さんは食事をとることに。
入院1日目のメニューは豚肉のソテーでした。
さっそく豚肉のソテーを口にした白井さんは、
そのおいしさに思わず感動してしまいます。
(こんなにウマいなんて……。
丁寧に丁寧に大切によく噛んで味わおう)
しかし、味わって食事をしている中、
急にズウンとした痛みが襲ってきたのです。
(忘れていた。
今がお産の最中であることを――……)
一気に残っている食事を食べ終え、
急いでナースコールを押したのでした。
おいしい食事は原動力になりますよね。あまりのおいしさに自分がお産の最中であることを忘れてしまった白井さん。突然痛みに襲われるものの、必死で耐えながら食事を残さず食べる姿に勇ましさを感じました。
監修/助産師 松田玲子
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