そして、計画無痛分娩を選択し、入院手続きを済ませたあとは、採尿や血圧・体重測定、NSTなどをおこないました。その後の内診では、先生がバルーンを入れることを提案してきたのですが、恐怖を感じながらもバルーンを入れてから1時間が経過すると、生理痛のピーク時のような痛みを感じ始めていた白井さん。
そんな中、昼食が運ばれてくると、なんとか痛みがおさまったタイミングで食事をとることに。しかし食べている途中、とてつもない痛みに襲われてしまいます。なんとか残っていたごはんを食べ終えると、すぐにナースコールを押したのでした。
ナースコールを押すと、すぐに助産師さんが駆けつけてくれて…
※学生実習を受け入れている産院では、学生の立ち会いを依頼されることがありますが、立ち会いの拒否、受け入れ後の拒否をしても問題ありません。拒否した場合でも、その後のケア等に影響が及ぶことはありません。
「白井さん大丈夫……?」
「痛いっす」
先生に内診をしてもらうと、
子宮口が4cm開いていることが判明!
「無痛の準備しようか!」
先生の言葉に思わず表情が硬くなる白井さん。
注射を打ってから麻酔が利くまでの30分ほどの間、
つらい痛みに必死で耐えていると、
ドアをノックする音が聞こえました。
「ご相談なんですが……。
学生を立ち合わせていただけないでしょうか?」
「どうかしら?」
「いいですよ」
本音は嫌だったものの、女性スタッフの圧に負けてしまい、
助産学生の立ち合いを許可することに。
そして、麻酔注射を打ってから30分が経過――。
(じぇ~んじぇん痛くな~い☆)
麻酔の効果に感激していると、
1人の学生が入ってきました。
「この度立ち会いをすることになりました。
新舞子です」
かわいらしい助産学生を目の前にして、
顔をほころばせる白井さん。
「白井さん、あの……おやつ食べられそうですか?」
その言葉を聞いた瞬間、余裕の笑みを浮かべ、
すぐに「食べる!」と頷いたのでした。
地獄のような痛みに苦しんでいた白井さん。麻酔によって痛みから解放されたようでよかったです。また、学生の立ち合いについて聞かれたとき、女性スタッフの圧に負けてしまい、思わず「いいですよ」と言ってしまったようですが、注釈にも記載の通り、出産をするママ側に拒否権はありますのでご安心ください。
監修/助産師 松田玲子