そして、計画無痛分娩を選択し、入院手続きを済ませたあとは、採尿や血圧・体重測定、NSTなどをおこないました。その後の内診では、先生がバルーンを入れることを提案してきたのですが、恐怖を感じながらもバルーンを入れてから1時間が経過すると、生理痛のピーク時のような痛みを感じ始めていた白井さん。
そんな中、昼食が運ばれてくると、なんとか痛みがおさまったタイミングで食事をとることに。しかし食べている途中、とてつもない痛みに襲われてしまいます。なんとか残っていたごはんを食べ終えると、すぐにナースコールを押したのでした。
すぐに助産師さんが駆けつけてくれて、先生が内診を開始。先生は「無痛の準備しようか!」と言うと、さっそく腰に注射を打ちました。麻酔が効くまでの間、痛みに悶える白井さんでしたが、麻酔が効くと余裕の表情を見せるように。そんな中、1人の助産学生が出産の立ち会いをおこなうことが決定。学生はあいさつをしたあと、白井さんのサポートをしてくれたのでした。
痛みなんて圧倒的無力と思っていたけれど…?
※陣痛促進剤は輸液ポンプを使用して投与します。
おやつも完食し、余裕の表情を見せる白井さん。
すると、そこへ先生がやってきました。
「うん、白井さん。促進剤追加しよっか」
「オッケーです!」
このときまでは余裕で構えていたのですが、
いざ追加されると、状況が一変!
ズゥゥンとした痛みに悶え始めてしまったのです。
そんな痛みに苦しむ白井さんの姿を見た学生は、
ゆっくりを呼吸するように促します。
「呼吸とってもじょうずですよ。
あと少し一緒にがんばりましょう」
さらに、柔らかな表情でやさしい言葉を
かけてくれたのでした。
「促進剤なんて圧倒的無力!」と最初は余裕な態度を見せていましたが、追加されるとすぐに痛みで悶えてしまった白井さん。そんな痛みでもがき苦しむ姿を目すると、学生はやさしく微笑みかけ、「一緒に頑張りましょう!」と希望の手を差し伸べていました。白井さんは心の中で「舞子ーーー!」と叫んでいましたが、とってもうれしかったと思います。つらいときほど、こういうやさしい声かけが心に染みたりしますよね。
監修/助産師 松田玲子