言い争う大人たちを前に、恐怖を感じていたわたしちゃん。自分の家が周りに迷惑をかけていることに罪悪感を覚え、常に非難されているような感覚におびえていたわたしちゃんは……。
母の精神疾患に理解のない父
わたしちゃんの父は、仕事と不倫でほとんど家にいませんでしが、基本的には穏やかでやさしい人。しかし、母の病気には理解を示さず、揉めてばかりいました。
あるとき、「お金盗まれたりするから、3万円ちょうだい」と父にお願いした母。
父は、「盗まれるわけないだろ。急に言われてもないよ」と断りました。
すると母は、「いいから早く金をよこせと言ってるんだ!」と言って、刃物を持ち出したのです。
母の様子に焦り、手持ちのお金を差し出す父。その様子を見ていたわたしちゃんは、恐怖でおびえていました。
「お母さんが本当に刺しちゃうんじゃないかって、すごく怖かったよね」
「お父さんとお母さんが仲良くないこと、とても悲しかったね」
わたしちゃんに語りかける、大人のわたし。言葉はやさしい父でしたが、家族と向き合うことはしてくれませんでした。
小学3〜4年生のころ、ストレスから食べることだけが癒やしになり、太っていったわたしちゃん。満たされない気持ちを食欲に向けていました。
あるとき、家でロールパンを食べようと手を伸ばすと、「だから太るんだよ! やめな!」と母に怒られてしまいます。
太っている母に注意されたことで、モヤモヤを抱えるわたしちゃん。
「本当は自分でも太っていることが嫌だったから、親として太らないように気をつけてほしかったよね」
「わかってもらえなくて、食べたいもの食べられなくて、悲しかったね」
太っているという自覚はあったわたしちゃんは、太っていることが“悪い、怖い”という感覚に悩まされることになるのです。
やり場のないストレスから太ってしまったわたしちゃんは、中学生になり、過激なダイエットをしてしまったそう。体形へのコンプレックスは、多かれ少なかれ誰しもが抱くものかもしれませんが、他人からのささいなひと言がコンプレックスを加速させる場合があります。「自分の一番の理解者」であってほしい母からの言葉は、わたしちゃんにとても大きな心の傷を負わせてしまったようです。
子どもが太っていることをコンプレックスに感じているのであれば、一番身近な存在である親が気持ちにが寄り添い、サポートしてあげられるといいですよね。