小学3〜4年生のころには、ストレスから食に走ってしまい、だんだんと太っていきました。同じく太っていた母から、「太ってるんだから食べるのやめな!」と否定されたことで、悔しい思いをします。
太っている自覚はあったわたしちゃんは、母の言葉を受け、太っていることが“悪い、怖い”という感覚に悩まされてしまい……。
幼心に芽生える劣等感
小学校中学年のころ、母の行動に対して常に嫌悪感を抱くようになったわたしちゃん。
ある日、自分の服をハサミで切り刻む母の姿を見て、兄に愚痴をこぼしました。
「ねーあの人、自分の服をハサミで切りまくってるよ。変なのー」
すると兄からは「あの人とかそういう言い方やめろよ。あと、自分の服切ってても別にいいんじゃね?」と、母に理解を示すような言葉が返ってきました。
「もしかしてお兄ちゃんは、私と同じ気持ちじゃないの!? なんで?」
兄が味方をしてくれないことに驚き、モヤモヤするわたしちゃん。
「自分と同じように、母を責めてくれると思っていたから、お兄ちゃんから責められてショックで悲しかったよね」
大人になったわたしは、「むしろお母さんを悪く言う自分が悪い人間なのかと思い、つらかった」と振り返ります。
わたしちゃんは、同じ境遇で育つ兄に、母に対する気持ちを共感してもらいたかったのです。
また別の日、友人宅での出来事です。
友だちのお母さんからおやつを振る舞ってもらい、実物のホットケーキを初めて見たわたしちゃん。
「おいしい!」
夢中で頬張っている最中、周りの友だちが「ホットケーキ大好きー!」「わたしも! ママありがとう!」と言っている言葉を聞き、わたしちゃんは複雑な心境になります。
「恥ずかしい……うらやましい……ずるい……もっと食べたい……みじめ……うちのお母さんと違う……」
初めて食べるのは自分だけなんだと気づき、みじめな気持ちに……。
「キレイななお家も、やさしそうなお母さんも、全部うらやましかったね」
わたしちゃんは、友だちの家に行くたびに、友だちの家庭がうらやましくて仕方ない気持ちになるのでした。
自分と、友だちの家とのギャップに苦しんだわたしちゃん。大人になったわたしが、「この友だちの家のことは、強烈に覚えている」と語るように、幼いわたしちゃんにとって、とてもショッキングな出来事だったようです。
大人になっても、他者と自分を比べて、落ち込んでしまう瞬間があるかもしれません。皆さんは、幼いころや現在、友だちと自分を比べて「うらやましい」と感じるようなことはありますか?