騒いでいた母とは一変し、やさしく語りかけてくる母に、戸惑いを感じていたわたしちゃん。
涙もろくなっているようで、わたしちゃんが初潮を迎えたことを黙っていたと知り、「教えてよ……」と涙するほど。
今まで母の異常な姿ばかり見てきたわたしちゃんは、母を信頼することができず、態度が一変した母に、怒りを感じるようになっていました。
子どもらしく甘えたいだけ
夏休みのある日、顔が赤くなり、痛みを感じるようになったわたしちゃん。
「お願いだから病院に行って」と涙ぐみながら懇願する母に背中を押され、渋々病院に行くことに。
ひとりで訪れた病院で、医師から病状の説明を受けるも、小学生のわたしちゃんは理解することができませんでした。
「大人に一緒に来てほしかったよねー!! 子どもなんだからもっと大人に頼りたかったよね」
そう振り返る大人になったわたし。
わたしちゃんは、困っているとき、子どもらしく気持ちを出したり、頼ったりしたいと願っていました。
このころ、つらい状況から現実逃避をするため、ひたすらテレビゲームをしていたわたしちゃん。夏休みにいたっては、朝方までゲームをしていることも。
夏休み明けの教室では、「海に行った」「家族で遊園地に行った」など、クラスメートが夏休みの思い出を話し合っていました。
「いいなぁ。みんな夏休み楽しく過ごして……」
ゲームばかりしていたせいか、視力が落ち、黒板が見にくくなっていたわたしちゃん。
「視力が落ちているのもショックだったよね。皆んなの夏休み、うらやましくて、なんかずるいって思っちゃうよね」
大人になったわたしは、「自分だけが不幸な気がしてつらかったよね」と、当時のわたしちゃんに寄り添います。
クラスメートをうらやむ気持ちから、我慢、諦め、そして「自分は悪くない」とわたしちゃんは、周りを恨む気持ちが強くなっていくのでした。
小学生ながらひとりで病院を受診したわたしちゃんは立派ですね。しかし、「子どもらしく周りの大人に頼りたかった」と感じさせてしまう環境は、小学生には酷な現実です。
わたしちゃんがつらい状況で生活している中、家庭の外でサポートできる大人がいなかったのか、考えてしまいます。皆さんは幼少期のころ、家族以外に、心を許せて頼れる大人は周りにいましたか?
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。