腹圧性尿失禁はなぜ起きる?
骨盤底筋の緩みと膀胱硬化が主な原因
腹圧性尿失禁はなぜ起きるなのでしょうか。
「大きな原因は2つあります。まずは、骨盤底筋の緩みです。骨盤底筋とは、尿道、腟、肛門の周りを囲む筋肉の集まりで、ハンモックのように下から膀胱と尿道を支えています。
本来は、くしゃみなどで腹圧がかかっても骨盤底筋が膀胱と尿道を支えることで尿が漏れるのを防いでいるのですが、更年期に女性ホルモンのエストロゲンが減少すると、潤いや弾力が落ちて筋肉量も減少します。骨盤底筋もエストロゲンが減ることで緩み、尿道がうまく締められなくなって尿漏れが引き起こされるのです。
特にエストロゲンの減少が本格化する、閉経後の50代から緩みが加速します。40代から尿漏れが起きる人は、出産ダメージが大きな要因です」(窪田先生)
膀胱が硬くなることも要因
「もう1つ、エストロゲンが減ることで膀胱の組織が硬くなり、動きも衰えることも要因です。膀胱の弾力性や活性が落ちると、尿をためることができず、漏れやすくなります」(窪田先生)。
骨盤底筋の緩みは改善できる?
骨盤底筋体操が効果的!
骨盤底筋の緩みに対しては、どのようにアプローチすれば良いのでしょうか。
「効果的なのは、骨盤底筋体操です。腹筋に力を入れず、呼吸しながらリラックスし、肛門と腟をキュッと締めます。基本的な方法は以下のとおりです。
1. ラクな姿勢になり、尿道・肛門・腟をきゅっと締めたり、緩めたりし、これを2~3回繰り返します。
2. 次は、ゆっくりぎゅうっと締め、3秒間ほど静止します。その後、ゆっくり緩めます。これを2~3回繰り返します。
3. 引き締める時間を少しずつ延ばしていきます。
4. 1回5分間程度から始めて、10分~20分まで、だんだん増やしていきます。
クリニックでも尿漏れの方には骨盤底筋体操を指導します。ただ、継続できる人は本当に少ないです。毎日続けないと効果が薄いのですが……」(窪田先生)。
トイレの後の“肛門締め”だけでもOK
そこで、骨盤底筋体操は毎日できなくても、“肛門締め”をしてほしいと窪田先生は言います。
「トイレで用を足したあと、5~10秒、肛門と腟をきゅっと締めます。これだけでも効果はあります。大切なのは日常化することです!」(窪田先生)。
膀胱硬化は改善できる?
糖質が多い食生活を見直して
「クリニックでは、甘い物や糖質を控えた食事を心がけるよう指導しています。膀胱硬化は動脈硬化と同じ原理。動脈硬化の患者さんには甘い物や糖質を抑えた食事指導がされます。これらの食事は血流を悪化させ、血管を硬くする作用があるからです。
また、肥満や冷えにも注意が必要です。肥満も冷えも、体の血流を悪くする要因となります。太り過ぎに気を付け、体を冷やさないようにして、血行を良くする生活を心がけるようアドバイスしています」(窪田先生)。
まとめ
私も40代半ばごろから、くしゃみをするとちょい漏れすることが多くなってきた1人です。命に関わることではないけれど、やっぱり気持ちがブルーになります。体全身のたるみや緩みを実感する今日このごろですが、トイレで肛門締め、早速始めてみたいと思います!
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