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「母の病気も、不幸なことも…」すべてに罪悪感を覚える少女。消えない心の傷とは #統合失調症の母 13

「統合失調症の母に育てられたわたし」第13話。統合失調症の母に育てられた“わたしちゃん”。思い出せる一番古い記憶は、幻覚や妄想で騒いでいる母の姿。病気のせいもあり、家の中は汚く、自分で食事を作り食べることもしばしば。唯一の理解者である、“今のわたし”が当時のわたしちゃんの気持ちに寄り添います。

被害妄想からお隣さんを攻撃したり、自分の服をハサミで切り刻んだり、日常的に奇行が続いていた母は、治療のため入院。その後、退院した母は、以前より穏やかな姿が見られるようになりました。

しかし、きちんと服薬できていなかったせいか、病状は不安定に。普通の日もあれば、被害妄想が激しい日もあり、そんな母の姿に、わたしちゃんは疲弊していきます。

ある日、突然家に訪ねてきたわたしちゃんの友だちを怒鳴りつけ、追い出した母。わたしちゃんは驚きますが、何よりも自分の友人関係まで壊されてしまうのではと、とても悔しい思いをします。

 

不安定な母の病状に振り回され、「安心できる場所を一生懸命探すしかなかったのに、自分の世界も壊されたよう……」と感じていたわたしちゃんは……。

 

大人になっても消えない心の傷

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家族で車で出かけることになったある日。車に乗り込む前に、「行かない!」と怒り出した母を置いて行った父。

 

置いてきぼりの母を車内から見たわたしちゃんは、罪悪感を抱いていました。

 

大人になったわたしは、「たくさん罪悪感を持っていてつらいよね。大変な家庭だけど、お母さんに愛があるわたしちゃん」と、当時の自分を振り返ります。

 

「お母さんの病気も、不幸も、わたしちゃんはなーんの責任もないんだよ」

 

そして、「親が幸せであることって、大事ですね」と、大人になったわたしは感じていました。

 

このころのわたしちゃんは、自分の体に大きな穴が空いてしまっている感覚がありました。

 

欠如感を感じ、さまざまなことが“自分軸ではない”という感覚でした。

 

趣味に没頭しても、友だちと過ごしても、恋人ができても、自分の家庭ができても埋まらない感覚。

 

何を手に入れても、常に寂しさがつきまとっていました。

 

「この穴がなければ、もっと幸せで活躍していたかも……」

 

大人になったわたしが穴を覗いてみると、「やさしいお母さんがよかった。我慢ばっかりするのいやー」という声が聞こえてきます。

 

「自分の声を大事に拾うといろいろなことに気づけるようになった」

 

大人になったわたしは、「胸の空洞は、知識や経験で埋まるものではなく、たくさん我慢していた気持ちに気づいて、認知のゆがみを直すことで、ちょっとづつ埋まってきている」と感じているのでした。

 

 

母の症状の変化に一喜一憂し、時に罪悪感すら覚えていたわたしちゃん。どんな状況でも、母に対して愛情があったからこそ、わたしちゃんは苦しい思いをしていました。子どもは親の姿を見て育ちます。「親が幸せであることは大事」とありますが、その通りですね。

 

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    著者プロファイル

    マンガ家・イラストレーターHiKARi

    発達凸凹男子、繊細女子を子育て中。夫、オカメインコの4人1羽ぐらし。デザインの本業の合間に、統合失調症だった亡き母と暮らした幼少期の話や、その後の人生の話など、エッセイ漫画を描いてInstagramに投稿しています。

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