地域の催しによく参加する知人
私の知人は地域の催しや行事に積極的に参加しています。そこで知り合い、顔見知りになった人がたくさんいるとのこと。中でも小学4年生の男の子と必ず一緒に参加している女性とは長い付き合いらしく、男の子が保育園のころから知っていて、知り合ってから5年ほどたっているそうです。
行事の際にはいつも親子で参加している姿がとても印象に残っていて、知人は初めて2人を見たときから気になっていたそう。後に、ひょんなことがきっかけでこの親子と親しくなり、行事で出会う際には必ず声をかけていろいろな世間話をする関係になったのだそうです。
地域の夏祭りに参加
知人は地域活動の一環として夏祭りにも毎年参加しています。夏祭りではいつも盆踊りを踊るそうで、毎年の恒例行事のようなものになっていました。
今年の夏祭りには知人はきちんと浴衣を着て、メイクも汗で崩れないように万全の体勢で参加しました。知人が盆踊りの準備をしていると、同じく夏祭りに参加していた知り合いの女性とその息子さんに声をかけられます。2人も毎年のように夏祭りに参加しており、今年も一緒に盆踊りをして夏祭りを満喫していました。
盆踊りが終わった後は、3人で屋台の食べ物を買って食べたり花火を見たりして、最後まで一緒に夏祭りを楽しみました。夏祭りが終わった後は一緒に記念写真を撮影。次の日には地域活動として夏祭りの掃除があるので「明日また掃除で会おうね~」と言い、その日は解散しました。
翌日2人に話しかけるもどこかよそよそしい
翌日、知人は夏祭りの疲れからか少し寝坊してしまい、朝起きたときに髪もボサボサになっていたので、かなりバタバタしてしまったそうです。この日は前日の夏祭りの掃除なので、「どうせ掃除していたら土やほこりで汚れるし汗もいっぱいかくだろうから、すっぴんにジャージ姿でもいいかな」と知人は判断し、髪をひとつに結び、日焼け止めを塗っただけの状態で掃除に参加しました。
すっぴんでジャージ姿の知人が夏祭りがあった道路付近でゴミ拾いなどの掃除をおこなっている途中、何人かの知り合いとすれ違います。ですが、声をかけられることなくそのまま過ぎ去ってしまう人もいて「気付かなかったのかな?」と思いつつ、「おはようございます」と知人から声をかけたそうです。あいさつをした知人に気付かなかった知り合いには「昨日とギャップがあるね」「一瞬誰だかわからなかった」などと言われ、知人の声を聞くまで本人とわからなかったそう。
しかし知人は、「そりゃ昨日が浴衣で、今はジャージなんだから違うのは当たり前だろう」と思っていたので、気には留めていませんでした。知人が掃除場所を移動していると、昨日の知り合いの女性とその息子さんの2人に遭遇。知人は「おはよ~」と2人にあいさつをします。すると、男の子は知人を見るなり「誰? 知らない」と言って、よそよそしい態度を取るのです。
知人はびっくりして、「昨日、盆踊りで一緒に踊ったじゃん」と言うものの、男の子は「よくわからない」の一点張り。母親である女性のほうが気まずそうにして、昨晩撮った写真を見せるも、男の子は「これは違う人だよ」と最後まで認識してもらえず……。5年の付き合いがありこれまで何回も顔を合わせていたのに、同一人物だと認識してもらえないことはさすがにショックだったそう。
またこのとき、知人は2人に会う前にすれ違った知り合いたちにも気付いてもらえなかったのは、浴衣かジャージかという服装だけの問題ではなく、自分の顔がすっぴんだったから? と考え始めます。自分のすっぴんが大の大人でも自分から話しかけるまで気付いてもらえず、長い付き合いのある子どもには他人とさえ認識されてしまうものだったことに初めて気付き、知人はさらにへこんでしまったそう。
この出来事をきっかけに、知人は外出するときはできる限りしっかりとメイクをしていこうと思うようになったそうです。
まとめ
今回の出来事が起きてから何日か後に、もう一度知り合いの女性と息子さんに会う機会があったので、知人は今度こそは本人と認識してもらうためにしっかりメイクをしてから出かけました。息子さんに「誰だかわかる?」と聞いたところ今度はしっかりと認識してもらえたそう。
知人が息子さんに「この前はそんなに顔が違うように見えた?」と聞くと、「全然知らない人だと思ったし、今だって掃除のときの人だって言われたら誰? ってなるよ」と言われて、やはり自分のすっぴんとメイクの顔は別人なんだと実感。これから誰かと会いそうな外出のときはしっかりメイクをしようと知人は再確認したのでした。
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イラスト/おみき
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