最初は警戒心の薄かったほや助さんですが、すぐにキュアおじの異様さに気づき始め……。
このおじさん、何かが変だ…
「何かされたわけでも、露出狂でもない。でも、このおじさん、何かが変だ」
とはいえ、相手は車。逃げても追いつかれることは明らかです。大声を上げることも考えましたが、普段は人通りのある通りも、今は誰も見当たりません。
「あからさまに逃げても、何が起こるかわからない……! 自然に逃げだそう……」
しかし、平静を装ったことが、かえってほや助さんを窮地に追いやります。
「かわいいなぁ。おじさんねぇ、そういう子とお友だちになりたかったんだ」
キュアおじは不敵な笑みを浮かべながら、ほや助さんの頭に触れようと手を伸ばします。
身の危険を感じ、とっさにキュアおじの手を振り払うほや助さん。
「ははっ、やだなぁ。『背が高いね』って、頭ポンポンしようとしただけだよ!」
キュアおじはそう言いながら、パッと手を引っ込めるのでした。
間一髪のところで、キュアおじの手を振り払ったほや助さん。
ほや助さんの身長が高かったことは確かですが、笑顔を見せるキュアおじの目はねっとり、全身の毛穴があわ立つほどに、粘着質な雰囲気をまとっていたのです。
キュアおじの手を振り払うことができていなければ、どうなっていたのか……。想像するだけでも、身の毛がよだちます。
「これはおかしい!」と感じる人の直感は、案外、当たっているのかもしれません。
もし不審者に遭遇してしまった際には、警視庁少年育成課と東京都教育庁指導企画課が考案した防犯標語、「いかのおすし」を思い出して行動できるように、日頃から親子で一緒に確認しておくことが大切ですね。
▼防犯標語「いかのおすし」
「いか」……知らない人にはついて「いか」ない
「の」……知らない人の車には「の」らない
「お」……あぶないと思ったときに「お」おきな声をだす
「す」……あぶないと思ったらその場から「す」ぐに逃げる
「し」……何かあったときには大人に「し」らせる