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「なぜ今!?」彼からプロポーズ→うれしいはずが…喜びづらかったワケは

これは、私が経験した思いもよらぬプロポーズのお話です。付き合って1年経ったころ、彼から念願のプロポーズが。しかし、それは予想外の場所だったのです。

「なぜ今!?」彼からプロポーズ→うれしいはずが…喜びづらかったワケは

 

彼との出会い、そしてお付き合い開始

彼とは、恩師の還暦のお祝いの席で出会いました。すぐに意気投合し、連絡先を交換。その飲み会の数日後、早速2人で食事へ。私は何度かデートするうちに、彼の仕事に対する熱い思いや、人に対するやさしさにすごく惹かれ、「この人とずっと一緒にいたいな」と思うようになりました。

 

そして気づけば彼とお付き合いを始め、1年が経ったころ……念願のプロポーズをされたのです! しかし、プロポーズの場所は!? 

 

念願の彼とのゴールイン、プロポーズの場所は…? 

付き合って1年が経ったお正月のこと。彼から「0時に神社に参拝に行こう」と言われ、一緒に初詣に行くことに。その年は私が27歳になる年。周りの友だちも次々に結婚していき、私も彼から「結婚しよう!」って言われないかな〜と心のどこかで思っていました。

 

初詣の参拝のあと、彼が突然「あなたの母校のグラウンドを見に行こう」と言い出し、彼の言葉の意味がわからないままとりあえず私の母校である高校のグラウンドへ……。グラウンドにはもちろん入れません。フェンスの外から真っ暗なグラウンドを眺め、近くの芝生に座って2人ぼーっとする時間が流れて……。

 

しばらくすると、彼が突然かばんの中から1冊の小さな本を取り出し、私への思いを話し始めたではありませんか。その小さな本には、これまでの思い出話、私の好きなところ、結婚への思いが書いてありました。しかし……ここは深夜のグラウンド。私の母校は山の中にある田舎の高校で、近くには街頭もなく、真っ暗でまったく何も見えず、状況がわからないままプロポーズは終了(笑)。

 

彼の表情さえも見えませんでした。今、思い返してもまったく景色を思い出せないほどです……。

 

恥ずかしがり屋の彼なりに頑張った

プロポーズのあと、きちんと両家の両親にあいさつに行き、無事に夫婦となった私たち。

 

しかし、いまだにあのときのプロポーズで彼がどんな表情をして話をしていたのか気になります。あとから彼に聞いたのですが、顔を見られるのが恥ずかしいことから誰もいない深夜のグラウンドでのプロポーズを計画したそうです。

 

普段はシャイな印象はない彼でしたが、プロポーズだけはとにかく恥ずかしく、人生で一度のプロポーズを失敗したくなかったのだとか。

 

 

景色や表情はまったく見えなかったプロポーズでしたが、そのときの彼の言葉や落ち着いた声のトーンは今でもはっきり覚えています。ある意味、とても印象に残ったプロポーズとなったのかなと思っています。

 

著者/なかまる あゆみ
イラスト/ののぱ

 

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