6月2日(金)に、厚生労働省より、「平成28年人口動態統計月報年計(概数)」の結果が公表されました。この人口動態調査は、平成28年1月1日~平成28年12月31日の期間内に提出された出生、死亡、婚姻、離婚及び死産の届け出をもとに集計されたものです。今回の調査結果のポイントは6点。そのなかで、今回は赤ちゃんの出生に関するデータについて解説していきたいと思います。
出生数は減少
出生数は、976,979 人で過去最少となりました。前年の出生数は1,005,677人で、5年ぶりに出生数の増加がみられましたが、平成28年は、28,698人減少しました。
それに伴い、出生率も減少。出生率とは、年間の出生数を10月1日現在の日本人人口で割り、1,000倍した、人口1000人あたりにおける出生数のこと。平成27年は8.0だったのに対し、平成28年は7.8となっています。
第1子出生時の母の平均年齢に着目すると、平成28年は平成27年と変わらず30.7 歳となっていますが、昭和50年25.7歳で、第1子出生時の母の平均年齢は上昇傾向あるといえます。さらに、母の年齢が40歳以上の出生では、出生数は約55,000人であり、うち第1子は約21,000人で、40歳以上の出生に占める第1子の割合は 38.5%と、増加傾向にあるといえます。
合計特殊出生率は、1.44で低下
合計特殊出生率というのは、その年次の15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したものです。これは、1人の女性が一生の間に産むと見込まれる子どもの数に相当します。人口を維持できる水準は2.07とされ、将来の人口が増えるか減るかをみる指標にもなります。
平成28年の合計特殊出生率は、1.44で、前年の1.45 より低下しています。母親の年齢に着目すると、34歳以下の各階級で合計特殊出生率は低下している反面、35~44歳の各階級では上昇しています。そのうち、最も合計特殊出生率が高いのは、30~34 歳となっています。
死産数は減少
死産数は20,938胎で、前年の22,617胎より1,679胎減少しています。
また、年間の死産数を年間の出産数(出生数と死産数を足したもの)で割り、1,000倍した死産率は21.0で、平成27年より低下しています。妊娠22週以後の死産と早期新生児死亡をあわせた周産期死亡数も平成27年より減少していますが、新生児死亡数はわずかに上昇しています。
今回の厚生労働省の公表を受け、日本の人口減少がより一層進んでいるということがあきらかになってきているようです。