やさしい患者さんからの手紙
私が看護師として働いていた病棟に、リウマチを患っている70代の女性が入院してきました。当時、2人目を妊娠中で、仕事や娘のイヤイヤ期の対応もあり疲れていた私。患者さんは、毎日私の体を心配してくれるとてもやさしい方でした。
その方の退院が決まった際に、渡された一通の絵手紙。
そこには、「子どもは幸せになるために生れてくるのよ」と書かれていました。
長男の出産予定日が秋だったので、落ち葉の描かれた絵手紙でした。この手紙を見て、思わず涙が出そうになったのを今でも思い出します。
2人目の妊娠で、育児や仕事、出産など不安になることがたくさんありましたが、この手紙で頑張ろうと心があたたかくなった私。それから10年経ち、現在は5人の子どもに恵まれました。今でも仕事や育児につまずいたときに、この手紙を見て患者さんのことを思い出し、頑張ろうと思える私の宝物です。
妊娠中、心も体も不安定なときに、入院中の患者さんが私のために書いてくれた絵手紙は、心のこもったとてもあたたかいものでした。「子どもは幸せになるために生まれてくる」という言葉を見返すと、妊娠がわかったときから今まで、日々成長していく中で、子どもたちからたくさんの幸せをもらっているなと実感します。子育てがしんどく嫌になってしまうときもありますが、そんなときはこの手紙を見返して頑張りたいと思います。
「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。
監修/助産師 松田玲子
イラスト/ミロチ
著者:さとう あおい
5人の子育て奮闘中の看護師ママ。育児休業中にライターとして活動を始め、育児の経験を生かし体験談を執筆している。