高知東生さんの投稿に集まった“いいね”の数は投稿から5日で約1.3万。2000回以上もリポストされていました。
「今の親の負担とまったく違う」
子育てしたことない俺が言うのもなんだが「昔の母親は何人も育てた」なんて今の母親を批判する俺ら以上の世代の人をみると「だって俺ら、近所に子どもが沢山いて、親が放っておいても子供達で勝手に遊べたじゃん」と思うんだよな。同じ時代を生きてきたら、今の親の負担と全く違うってわかるよなぁ?
— 高知東生 (@noborutakachi) October 17, 2023
しかし「昔はこんなに大変だったのに……」「今の子育ては楽でいいね」と言う『昔マウント』に苦しんでいる保護者がいるのも事実。子育てが大変なのは今も昔も同じなはず。なぜそのようなマウントが起きてしまうのでしょう。また、そのようなマウントにどのように対処すれば良いでしょうか。
育児の専門家である大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生に、今と昔の子育ての違いについて聞いてみました。
今と昔の子育て、どちらが大変?
小崎先生
「『昔はこうだった…』これは、社会のいろいろなところでよく聞くフレーズです。社会のいろいろな変化を実感している祖父母世代の方々には、特にそのように感じることもたくさんあるのでしょう。
しかし同じレベルで『今のほうが良くなった』ということもたくさんあると思います。特に子育てに関わる部分について、今昔を比較してみましょう。」
大変になったこと
・地域や親族のネットワークや関係性が薄くなり、子育てのサポートが少なくなった。
- ・子育てに対する社会的な意識や保護者に求められるものが大きくなり、子育て家庭への眼差しが厳しくなった。
- ・習い事や教育への意識が高くなり、子育てに関わる費用やコストが大きな負担となっている。
良くなったこと
・子育て支援の制度やシステム、場所や機会が大きく増えた。
・インターネットやSNSの発展によりさまざまな情報が入手しやすくなり、新しいネットワークやつながりができるようになった。
・子育てに対する新しい知見やデータ、研究などが多くあり、子どもが育つ環境が豊かになった。
「これらの『大変になったこと』と『良くなったこと』は、ある意味表裏一体の関係だと思います。情報の多いことが良い場面と、多すぎるがゆえに迷う部分などは、その端的な例でしょう。
そのように考えてみると時代や社会の変化の中で、子育てや子どもたちを取り巻く環境が、いろいろな方向に発展し広がりを見せながら、今の形となってきました。」
現代の良いところをフル活用する
小崎先生
「それならば、現代に応じた子育ての在り方を意識すると良いでしょう。今使えるものや、システムや制度を、ぜひフル活用してほしいと思います。
例えば、電化製品や冷凍食品などです。冷凍食品やレトルト食品は『昔はすべて手作りだった』と言う声に耳を貸す必要はないほど、昔に比べて格段に進歩しており、味や栄養、保存期間などもとても優れています。
また子育て支援の制度などは、30年ほど前にはその概念や制度自体が存在していませんでした。子育て支援センターや地域の子育て支援の取り組みなどは、現代だからこそ恩恵が受けられるものなのです。これらを使わないのは、もったいないことだと思います。
ぜひ社会のさまざまな変化を良きものとして、積極的に活用してください。そのためにも、いろいろなものを知ること、また知ろうとする姿勢が、高度情報化時代の子育てのひとつの秘訣だと思います。」
『良いとこ取り』の子育て
高知さんの投稿やコメント欄から、面と向かって声をかけられることはなくとも、心の中で「ママ頑張って!」「大変だね」と思っている人が実はたくさんいるのだと言うことがわかったのではないでしょうか。また、この投稿をきっかけに「たしかにそうだよね」と思う人が増えていたら、それは子育て世代にとって、とても心強いことです。
そして、現代のほうが良くなっていることがあるのも紛れもない事実。『昔マウント』はサラッと聞き流し『良いとこ取り』の子育てができるといいですね。
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