在宅ワーク中にガムをかんで気分転換
私は在宅で仕事をしており、机の近くにはいつもおやつを常備していました。しかし、少しずつ体重が増えてきたため、おやつを撤去。急におやつがなくなると、どうしても口寂しくてたまりません。
そこで、太りにくく食欲を紛らわすものはないかと考えた結果、思いついたのがガムでした。ガムを購入して食べ始めると、気分転換になって仕事もはかどり、「おやつにぴったり」と思った矢先のことです。
ガムをかんだ次の日、なんだか耳の下あたりに痛みが。強い痛みではないため、「昨日ガムをかみ過ぎたせいで筋肉痛にでもなったのかな」と軽く思っていたのです。
痛みに気付いたときは違和感がある程度でしたが、地味な痛みが続いたため、痛み止めを服用してその日は過ごしました。痛み止めを飲めば地味な痛みは和らぎ、仕事にも集中できました。痛みを感じないときはガムをかむことも。
地味な痛みが続いた先には…
地味な痛みは翌日も続きましたが、病院に行くほどでもありません。地味な痛みで気持ちが優れないときは、痛み止めを服用してそのまま放置することに。
実は、以前にも同じようなことが1~2回あり、痛み止めを服用すると少しずつ快方へ向かっていました。また、そのころは食事もとれていたため、痛みが続いてもそれほど問題だとは思っていませんでした。
しかし、今回は耳の下あたりの痛みを放置した結果、痛みが出てから2~3日たつと口を大きく開けられなくなったのです。縦に指2本分くらいしか口が開きません。そこで初めて事の重大さに気付き、ネットで症状を検索した結果「顎関節症では…」と思いつきました。とはいえ「きっと自然に治るだろう」と安易に考え、そのまま様子を見ることに。
口が開かない状況でも、食欲は変わらずあります。そこで、雑炊や麺類など咀嚼の際に、顎に大きな力が不要なやわらかい食事をとるように。しかし、それでも咀嚼する際に耳の下あたりに痛みが出て、少しずつ食べる日が続きました。
ついには指1本分しか口が開かなくなった!
こんな状況でも、私は「時間がたてば炎症は治まるはず」と思い、そのまま様子を見ることに。すると、そのうち指1本分しか開かなくなったのです。
さすがに指1本分しか開かず、食事をとるときにも痛みを我慢しなければならない状況が怖くなり、慌てて病院を探しました。するとそこで問題が起きます。口が開かないという症状は、どの病院で診てもらえばいいのか……。
耳の下あたりの痛みなので耳鼻科なのか、口が開かないので歯科なのか、はたまた整形外科なのかまったくわからず、該当しそうな診療科すべてに連絡しました。すると、整形外科は首から下の症状を診察するとのこと。
耳鼻科に相談すると、実際に診察してみないとなんともいえないが、「口腔外科の範囲ではないか」と教えてもらえました。
そこからは、口腔外科に絞って探します。ホームページに口腔外科と記載されている歯科医院に連絡するも、「マウスピースを作って様子を見ることになる」とのこと。口が開かない状況を説明すると、「口が開かないとマウスピースは作れない」といわれる始末です。
他の歯科医院は「予約でいっぱい」「予約が取れても1カ月先」などで、なかなか診てくれるところが見つかりません。たまたま見つけた口腔外科もある歯科医院に状況を説明すると、「すぐに来なさい」といってくれました。
診察を受けると、「顎関節症によってクローズドロックになっている」とのこと。先生が、下顎を下げながらずれた関節円盤をもとに戻す、徒手的顎関節授動術(としゅてきがくかんせつじゅどうじゅつ)により治してくれました。
先生によると、口が開かなくなって時間がたつと、治るのに時間がかかるそうです。私の場合は開きづらくなって1週間くらいだったため、比較的早めに治るとのことでした。
治療を受けた後すぐにある程度口が開き、マウスピースを作ってもらって帰宅。痛みはあるものの、口が開くことがうれしくてたまりませんでした。そして、日に日に痛みは引き、元のように口が開くようになりました。
まとめ
今回、私が顎関節症になっていた原因は睡眠中の食いしばり。歯ぎしりは歯や顎に負担がかかることは知っていましたが、家族から注意されたことがなかったため、まさか自分が寝ているときに食いしばっているとは思ってもいませんでした。
先生によると、ストレスや体調の変化などで多くの人が食いしばりや歯ぎしりをしているとのこと。年齢を重ねると、知らず知らずのうちにストレスをためこんでいるのかもしれません。
治療後は、毎日マウスピースをしながら寝ていますが、たまに装着を忘れた次の日の朝は、耳の下あたりが地味に痛いときが……。「毎日忘れず装着しなければ」と注意しています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/村澤綾香
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