子どもの1歳の誕生日といえば「一升餅」ですよね。日本では古くから続いている風習ですが、なぜおもちを背負うのでしょうか? また、地域によって祝い方が違うのでしょうか?「一升餅」の由来や方法についてまとめました。
なぜ「一升餅」というの?
「一升餅のお祝い」とは、一升(約1.8kg)のおもちを、1歳の誕生日を迎えた赤ちゃんに背負わせるという日本古来の風習。もちの「一升」と人間の「一生」を掛け合わせて「一升餅」と呼ばれ、「一生食べ物に困らないように」「一生健康に過ごせますように」といった願いが込められています。
どうやって祝うの?
一般的に知られているお祝いの方法は、風呂敷やリュックに一升餅を入れ、赤ちゃんに背負わせて歩かせるというもの。1.8kgのおもちはかなり重いため、ほとんどの赤ちゃんが立ち上がることもできず、しりもちをついてしまいますが、それで縁起が悪いということではありません。
逆に、転ばずに歩いてしまうと「早く一人歩きをして家を出ていってしまう」「親元を離れて遠い土地へ行ってしまう」などと考えられているため、歩こうとする赤ちゃんをわざと転ばせる地域もあるのです。転んでしまっても立ち上がることができても縁起が悪いということはないので、安心してくださいね。
おもちを踏む地域もある
九州地方などでは背負うのではなく、「赤ちゃんにもちを踏ませる」地域もあるようです。おもちを両足でしっかり踏むことで「地に足をつけて生きていけますように」「足腰が丈夫に育ちますように」という願いが込められているそう。そのため、地域によっては「踏み餅」「立ち餅」などと呼ばれることも。住まいの地域ではどうしているのか周りの人に聞いてみてもいいですね。
背負うときの注意
一升餅は風呂敷で包み、赤ちゃんの背中に斜めがけにして背負わせるのが昔ながらのやり方です。このときに注意したいのが「首にかからないようにする」ということ。一升餅はかなりの重さがあるので首が絞まってしまうと大変です。
最近は、両肩でしっかり背負えるリュックを選ぶ人も多いようです。リュックなら1歳を過ぎてもお出かけに使えるというメリットもあります。また、おもちを背負うときは転んでも怪我をしないように近くに物を置かず、フローリングよりはたたみやカーペットの上でおこなうほうが安全です。
赤ちゃんが立っても転んでも、泣いても笑っても、いい思い出のひとつ。一生に一度しかない1歳の誕生日、家族みんなで楽しく祝ってあげましょう。
女性誌・書籍・WEBなどで、女性のライフスタイルについて執筆。プライベートでは一児の母として子育ての真っ只中。ワーキングマザーとして自身の育児体験に基づいた記事を提供している。