子どものお守りなど、両親には結婚前と変わらず、お世話になりっぱなし。本当にありがたい存在だと感じています。親にしてもらうことが多いなか、私が何かできることはないか模索していました。母の誕生日、これはチャンスだと思い、わが子とサプライズ企画を実行しました!
お金をかけなくでもできること
まず考えたのは、わが子のお絵かきを母にプレゼントすることです。「ばあばの絵を描いてプレゼントをしよう」とわが子に声をかけると、やる気満々にペンを走らせました。誰かのためにできることは何かと考える気持ち、人がよろこんでくれるとうれしいという気持ちを、わが子にも体験してほしいと感じました。
きっと孫の書いた絵はなによりうれしいプレゼントになるはず……。お金をかけなくてもできるプレゼントはたくさんあります。
「お誕生日おめでとう」母の目には涙が……
実は、母が自宅にいるのかどうかも分かりませんでした。サプライズはぶっつけ本番なので、ドキドキしますよね。わが子を連れ、夕方に実家へ行きました。リビングの灯りが見えて、ひと安心です。突然の訪問に母は目を大きくしてビックリ!
みんなで「お誕生日おめでとう」と言うと、母は目に涙を浮かべていました。そのとき、顔を見せに行くことがいちばんのプレゼントなのではないかとも感じました。いつもしかめっ面の父も、孫を見ると顔がほころびます。
ひとつ、小さな親孝行ができた!
母は、孫が描いた絵を大事そうに受け取ってよろこんでいました。ふと食卓を見ると、白ご飯に漬物、山菜と、質素な夕食が並んでいました。「誕生日なのに質素だね」と私が言うと、母は「いつもと変わりのない一日になるところだったよ」と言っていました。
決して大したことをしたわけではありませんが、母にとってはかけがえのない誕生日になったようです。ひとつ小さな親孝行ができたかなと思っています。
お祝いは、する側もされる側も幸せな気持ちになりますね。母は、孫が描いた絵を額に入れ、壁に飾っています。お金にかえられない価値のあるプレゼントだったようです。みなさんはどうやって両親に感謝の気持ちを伝えていますか?
著者:田中由惟
一男一女の母。二人目の出産を機に食品会社を退職。現在は子育てのかたわら、記事執筆をおこなう。趣味はスポーツとピアノ、美味しいものを食べること。