【チェック】今あなたがつらい症状は?
コロナ後遺症と更年期症状には共通する症状がある
まず、コロナ後遺症にはどんな症状が出るとされているのでしょうか。
「現在まで、コロナ後遺症として厚生労働省が報告しているのが
疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸の痛み、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下
などです。
コロナ後遺症については、今も世界的に調査研究が進められている段階であり、まだ不明な点が多いのが現状です」(駒形先生)
一方の更年期症状には、どんなものがあるのでしょうか。
「更年期症状は多岐にわたります。
大きく3つ『血管運動症状』『精神的症状』『身体的症状』に分けられます。
まず『血管運動症状』には、
のぼせ、顔のほてり(ホットフラッシュ)、動悸、息苦しさ、疲労感、頭痛、肩凝り、めまいなどがあります。
次に『精神的症状』には気分の落ち込み、倦怠感、イライラ、意欲の低下、不眠、食欲低下などがあります。
そして『身体的症状』には腰痛、関節・筋肉痛、冷え、しびれ、疲れやすさ、湿疹、かゆみ、頻尿などがあります」(駒形先生)
コロナ後遺症と更年期症状を比較してみると、
動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛
といった症状が共通しているようです。あなたの一番つらい症状は、これらに含まれるでしょうか?
どちらが不調の原因か見分けはつく?
すぐに見分けはつかないが長引くなら更年期症状の可能性大
コロナ後遺症と更年期症状には共通する症状がありますが、見分けはつくものなのでしょうか。
「残念ながら、すぐに見分けるのは難しいです。ただ、厚生労働省の報告によれば、コロナ後遺症は時間経過とともに症状が改善することが多い、とされています。
一方の更年期症状は閉経を挟んだ前後5年、10年ほど続くのが一般的ですので、なかなか改善されない場合は更年期症状の可能性があります。
ただしその場合も、更年期症状以外の疾患による症状の可能性もあります。気になる症状が続く場合は婦人科を受診しましょう。
医療機関では、コロナ後遺症か更年期症状か診断がつかなくても、各症状に応じた対症療法がおこなわれるので、問題はないと考えます」(駒形先生)
どちらであっても症状を緩和する対策はある?
漢方学における「気」「血」の改善で対策
コロナ後遺症も更年期症状もあまりはっきりしない症状が多いようです。自分でできる改善策はあるのでしょうか。
「コロナ後遺症と更年期症状の共通症状である、
動悸、息苦しさ、疲労感、倦怠感、頭痛、関節・筋肉痛などは、漢方学の基本概念のうち「気」「血」「水」の「気」と「血」が不足している状態にあります。
女性は生理があるので、コロナ後遺症や更年期症状とは関係なく基本的に「血」が滞る「お血(おけつ)」の状態です。閉経をしても上半身と下半身の血流バランスは乱れたままなので、「お血」の改善には有酸素運動と筋トレが効果的です。
筋トレというとつらいイメージがあるかもしれませんが、まずは普段動かしていない筋肉を気が付いたときに動かすようにするだけでも全然違います。
例えば、パソコン仕事をしている人は脚を使わないので休憩時間に足踏みするとか、肩を動かしていないなら回してみるとか。できることから始めれば良いと思います。
そして「気」は酸素が足りない「気虚」の状態なので、深呼吸が有効です。
深呼吸をするとき大切なのは、横隔膜をしっかり動かしているかどうか。
ポイントは以下の通りです。
・息を吐くことに重点を置きましょう。深呼吸であれば10秒かけて吸って、30~40秒かけてゆっくり吐くのが理想的です。
・吸うときは、胸とおなか、両方を膨らませてもOK。体幹や四肢の筋肉に力が入り体に無駄な力がかからなくなります。
・猫背や反り腰にならないよう、「正しい姿勢・体幹」を意識。
横隔膜を動かすことで自律神経を刺激し、バランスを整える効果もあります。横隔膜には自律神経が密集しています。心臓や腸とは違い、自分でコントロールできる唯一の臓器なのです。
まずは1日に数回、全力で呼吸する時間を取ってみましょう。最初は1日1回でも良いと思います」(駒形先生)
まとめ
体調が悪いと原因を知りたくなりますが、コロナ後遺症についてはまだわからないことが多いということ。これから明らかになるでしょうが、まず私たちができるのは不調をいかに改善できるかということでしょう。体をできるだけ動かすこと、意識的に深呼吸をおこなうことなど、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
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