美容院に行くって言ったのに
夫と結婚する前、毎日メールのやりとりをしていました。ある日「美容院に行ってくるね」と報告をし、その何日か後に会ったとき、彼は「あれ? 美容院に行くって言ってなかった?」とひと言。もちろん、美容院には行っていて、カラーもカットもしてもらった直後でした。
まさかの言葉に、「え! 髪切ったよ!」と私はビックリ。そんなに変化してなかったのかと、思っていたのですが会社に行くと「髪型、変わりましたね」と取引先の方に声をかけられたのです。そうですよね、私結構髪切ったんですよ、という気持ちと、なんで彼は気づいてくれないのだろうというモヤモヤがありました。
ネイルもスルー
その後も、ネイルをしても気がついているのかいないのか彼はスルー。「爪、きれいにしてもらったよ」とこちらからアピールしてしまうことも増えました。
そうやって何度か私が自発的にアピールしていることに気づいたのか、結婚してからは、美容院に行って帰ってくるなどすると「お、いいじゃん」とだけ言葉をかけてくれるようになりました。ただ、心はこもっていなさそうで、やさしい夫が「とりあえず何か言わなきゃ」と絞り出してくれたのかなということが伝わってくるものでした。
最初こそ変化に気づいてほしいと思っていた私ですが、一緒に過ごす時間が長くなるにつれて、だんだんと夫のこの雰囲気にも慣れてきました。そして次第に、気づかなくても、たとえ心がこもっていない言葉でも気にならなくなったのです。
むしろそれくらいが丁度いい
むしろ、今ではそれくらいでいいのかなと思っています。なぜなら、気づかれたくない変化にも気づいていないからです。たとえば、「シミが増えてきた」と言っても、夫は「え、どこが? 全然そんなことないよ」と言ってくれます。
おなかのブヨブヨが戻らない、白髪が増えたなど、ネガティブな変化についても「そうかな?」と夫は気づかないのです。
良くも悪くも、私の変化に気がつかない夫。今では、それくらいのほうが気がラクで心地よく過ごせるとさえ思うようになりました。もし、夫がよく気がつくタイプだったとしたらいちいち「ネイルはげてるよ」、「それ新しい服?」などと言われてしまうのかな……と今は思うのです。おおらかな目で私を見てくれている夫の隣なら安心して歳を重ねられています。
著者/大岡むぎ
イラスト/sawawa
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!