妊娠がわかったら、住まいの自治体からもらう母子手帳。これを手にすると、“母になるんだ”という実感が湧きますよね。最近では、育児に積極的に参加するパパも多いもの。そこで、増えているのが「父子手帳」なのです。
「父子手帳」とは?
「父子手帳」は、母子健康法で交付が義務付けられている母子手帳とは違い、自治体がそれぞれ独自に企画・制作しています。最初に登場したのは1990年代の半ばごろでしたが、当時の認知度はそれほど高くありませんでした。それが近年、育児に積極的に参加する男性が増えていることもあり、父子手帳を発行する自治体が増えているのです。
父子手帳には、決まったフォーマットはありません。各自治体が自由に制作しているので、それぞれの個性が光っています。
今回は、全国の父子手帳の中から特に気になっている3つをご紹介しましょう。
埼玉県『イクメンの素』
マントを羽織ったパパのイラスト、そしてタイトルからしてユニーク!しかも、表紙には『育児はマネジメントだ』というパパの興味を引きそうな見出しがついています。 埼玉県では、“イクメン”という言葉が浸透し始めた2012年に「イクメンへの道プロジェクトチーム」を発足。0~3歳の子供を持つ現役パパ職員を中心に、育児のヒント集として『イクメンの素』を制作しました。
赤ちゃんの寝かしつけや入浴の仕方から、ママの本音、パパのNG態度、よくあるトラブル事例まで、子育てに不慣れなパパにもわかりやすいヒントが満載。埼玉県立大学保健医療福祉学部の兼宗美幸准教授らの監修のもと、子育ての正しい知識も得られるように配慮しました。 イラストがたくさん使われていて読みやすいので、忙しいパパにも気軽に読んでもらえそうです!
オンライン版
■https://www.pref.saitama.lg.jp/a0607/ikumen/
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和歌山県和歌山市『男の子育て 指南本』
まるでファッション誌に出てくるようなお洒落な写真に、『Father’s NOTE』という素敵なタイトル。和歌山市の父子手帳は、いわゆる“育児書”的なものではなく、父親が楽しく自発的に子育てに関わっていける内容にしたいと、父親育児グループなどとの協働で2012から発行しています。
とくにおもしろいのが「家内安全 和歌旦那七ヶ条」というページ。「子どもと二人で出かけるべし」「イクメンを自称するべからず」など夫婦円満のためのパパの心意気が書かれていて、今すぐパパに見せたくなってしまいます。それだけでなく、子育てに関わる手続きや申請の一覧、災害・事故の基礎知識など実用的な情報も充実していて読みごたえたっぷりです。
オンライン版
■http://www.city.wakayama.wakayama.jp/kurashi/kosodate/1001103/1001754.html
鳥取県『お父さんのための子育て応援手帳』
鳥取県では、2011年から「とっとりイクメンプロジェクト」として、男性の育児参画を促進する取り組みを開始。この手帳は、これから父親になる男性に対して、具体的な育児のノウハウを伝えて育児の参考にしてもらうことが目的で、2013年に作成しました。
こだわったのは、子育てを経験している先輩パパ・ママの体験談やアドバイスをふんだんに盛り込んでいること。妊娠・出産〜小学校就学前まで、子供の月齢や年齢に合わせて構成しているので、どこを読んだらいいかわかりやすいと評判だと言います。まさに新米パパのための入門書といった1冊で、ママが読んでも参考になるような内容になっています。
オンライン版
■http://www.pref.tottori.lg.jp/227896.htm
父子手帳は、母子手帳と一緒に配布していたり、自治体の窓口などで希望者にだけ配っていたりとさまざまなので、住まいの自治体に問い合わせてみてください。今回、紹介したものは、他県に住んでいる人でもPDFなどで閲覧ができるので、ぜひパパと一緒にチェックしてみませんか?(TEXT:妹尾香雪)