私の母は…
私の母は献立を月単位で考える人でした。レシピ本を購入したり、新聞などに掲載されているレシピを切り取って参考にしたりしながらノートに献立を書いていました。
私は子どもながらに「めんどくさくないのかな」と思い、「どうしてノートに献立を書くの?」と尋ねたことがあります。すると母からは「献立が一緒にならないようにしているの」とさらっとした答えが。そのときはただ、「へえ~」とだけ返事をしました。
ただ、母が献立を考える際、頻繁に「これはパパが好きじゃないメニューか、めんどくさいな~」 と声が漏れることがありました。私はそのとき、「それなら自分の食べたい献立にすればいいじゃん」とモヤッとしてしまった覚えがあるのです。
作るよりも難しい
結婚する前の私は仕事をしていたこともあり、外食が多かったです。結婚を機に仕事をやめてからは、時間に余裕ができ、私が日々の食事担当となったのですが……作ることよりも献立を考えることが難しいことに気づいたのです。
自分だけだったら適当でいいのですが、夫のことを考えると手を抜けないし、メニューが同じものばかりになると「夫が嫌がるよなあ」と考えてしまい……。そのとき、「お母さんが感じていて、苦労していたことはこのことか」と、ピンッときました。
夫のことを考えているからこそ、自分の好きなものだけを作ることができないし、献立を考えるのに苦労するんだということを。
でも、それって幸せなこと
結婚して、妻と夫のどちらが食事を作るにしろ、お互いが喜ぶ献立を考えることというのは、大変でめんどくさいこと。正直、結婚の「デメリット」かもしれないと思ってしまいました。でもよくよく考えてみると、相手……私であれば夫のことを考えているからこそ起こる苦労なんだとも気づいたのです。母も父のことを考えてたからこそ出てきた苦労。
相手のことを考えながら献立を考えることは幸せなのだということに気づいたら、献立を考える時間がそこまで苦ではなくなったのです。今では、おもしろそうと思った献立は写真を撮るなどして常にチェックしています。
「苦労」という言葉も使いましたが、相手のことを想って日々の献立を考えて苦労することは幸せなことだなと、今は思います。毎日その人のことを考えたいと思うほどの人に出会えて、結婚できて私は本当に幸せだと噛み締めています。
著者/松谷 えりな
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