音信不通だった実母から「一緒に暮らそう」
祖母から私の連絡先を聞いたという母。今さら何の用かと初めは怪しんだ私でしたが、何度も謝られ、反省している様子だったので会いたいと思い始めました。ところが、父にそれを伝えると、慌てて「お前を捨てた母親なんかと会うな」というメッセージを連打してきました。
しかし、母が家を出た理由など、詳細は何も説明してくれないまま……。喧嘩腰になってしまった私は気まずくて、その夜は友だちの家に泊まることに。
すると母から連絡が。私のことを心配し、「よければ一緒に暮らそう」というのです。私は、そこまで言うなら父ともう一度会ってやり直す道を探してほしい、と伝えると、それはできないと返信してきた母。なぜなら、父が私に大事な真実を隠し、ウソをついているからだとか……。そして、直接会って詳しく説明してくれるというのです。
私は後日、父に書き置きをして母に会いに行くことにしました。
隠されていた真実とは?
数日後、母と会っていた私に、父からメッセージが届きます。
「母さんのところには行くな! 今すぐ帰って来なさい!」
「帰るわけないでしょ」
「え?」
私の冷たい返信に混乱する父……。
母の口から知らされたのは、父が実の父ではなく、母の弟=叔父だったという真実でした。実父は私の生後すぐに亡くなり、経済的に大変だった母はやむなく家を出たこと、祖父母は頼りにならず叔父が私を引き取ったこと……叔父は、当時付き合っていた彼女とも別れ、今も私の面倒を見ているためひとり身で、本当は迷惑だと思っていること……。
実父ではない人に迷惑をかけてまで面倒を見てもらうことはできない。それならずっと会っていなかったとはいえ、本当の母のところに行ったほうが叔父も自由になれる……。だから私はもう帰れない、そう思ったのです。
本当に大切な家族は…
しかし父、いえ、叔父は、自分の意志で私を育てることにしたのだと伝えてくれました。初めは、小さい私を置いていった姉や、それを許した祖父母への怒りの反動もあったのだとか。けれども育児をしながら、少しずつ成長する私を見て喜びを感じ、本当の父娘のようになれて最高に幸せだと思っているということも。
私はうれしくて泣きながら、父とまた一緒に暮らすことに決めたのです。
さらに、私のことを心配してすぐには言わなかった裏事情も明らかに。実は母は、再婚相手が要介護になってしまい、仕事と幼い息子(私の父違いの弟)の世話で大変なため、介護要員として私を家に住まわせようとしていたのだそう。
今回の件で、しばらくは私と父の間に気まずさもありましたが、今は以前と変わらない父娘に戻っています。母が私を利用しようとしたことや、娘に泣きつかれて状況を知りながら私の連絡先を教えた祖母と疎遠になったことは悲しいですが、私には父がいる。本当に大切な家族が誰かがわかったので、これでよかったのだと思います。
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かつて実母に置いていかれただけでなく、今また利用されそうになったという事実。これはつらく悲しいことかもしれませんが、ずっと育ててくれた父親代わりの叔父がそばで支えてくれるのは心強いですよね。真実を知っても関係性は変わらず、本当に大切な存在に気が付けてよかったですね。
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