小さな子どもを保育園に預けて働く親の最大の悩みは、子どもの発熱などによる体調不良ではないでしょうか。私もまだ小さい子どもがいますが、毎月のように熱を出し、お迎え要請の電話がかかってきて、職場の人に頭を下げながらあわてて帰る日々です。「誰か代わりにお迎えいって……」「今日は休めないよ!」なんて思ってしまうこともあるのではないでしょうか?
病児保育ってなに?
病児保育というのは、突発的な発熱や風邪などで、保育所が預かることができない子どもを、保護者の委託を受けて一時的に預かる施設やサービスのことをいいます。
だいたいの保育所では、子どもの体温が37.5℃を超えると預かってもらうことができず、お迎えの電話があります。「37.5℃の壁」とも呼ばれるほどです。そんなときにわが子を預かってくれるのが、病児保育。しかし、病児保育をしている施設は数も少なく、地域も広く子どもも多い私が暮らしている地区でも1箇所しかありません。
「コミュニティクリニックみさき」
千葉県船橋市にある病児保育室の「コミュニティクリニックみさき」は、「送迎サービス付病児保育事業」をおこなっている施設として注目を集めています。
コミュニティクリニックみさきでは、施設側が子どもの預かりの可否を判断し、看護師などの職員がタクシーで迎えに行って子どもを一時的に施設で預かっています。病児保育料と診察料は保護者の負担となりますが、タクシー代は市の負担で無料とのこと。ありがたい限りですね。
利用するには登録が必要
同施設を利用するには、事前に登録が必要とのこと。今年4月から事前登録の受け付けを始め、5月に施設がオープンしましたが、登録者数は5月末の48人から、7月10日時点では84人に増加。保護者らの口コミで広がり、利用登録者数は順調に伸びています。
今回は船橋市での試みですが、好評であれば各地域へ広がっていくかもしれません。どうしても、仕事を休めない、すぐには帰れないときの強い味方になってくれると思います。このような施設がどんどん広がっていくことを願います。(TEXT:東 裕子)