こんにちは。離乳食インストラクターの中田馨です。3回にわたって「噛む大切さ」についてお話しします。前回は噛むことは歯並びにも関係するというお話をしましたが、今回は、「噛むことは脳を刺激する」というテーマをお話ししますね。
噛むと脳が活性化される
噛むときに使うものは「あごの筋肉」。あごの筋肉を使うと脳内の血流量が増えるので、能が活性化されるといわれています。それは、記憶力や集中力、判断力にもかかわってくるといわれています。
現代の日本人の噛む回数
現代の日本人の噛む回数は、戦前よりもぐんと減りました。戦前は1420回だったのが戦後は620回。これにはどんな原因があるでしょうか。家庭の食事がやわらかくなった(和食が減った)、食べる時間が少なくなったといった、現代の日本の現状も影響していると思います。
人間の進化論
人は、生物学的に言うと「サル」の仲間です。なぜ、人間に進化したサルと、そうでないサルがいるのでしょうか?
人間に進化したサルはさまざまなものが食べられた「雑食」だったと考えられています。いろいろな食べ物を食べ、栄養を得て人間の脳は発達したというのが進化論の一説です。
脳は3歳までに80%にまで成長する
脳は3歳で大人の80%にまで発達します。6歳ごろには90%。12歳には完成します。ですので、3歳までに様々な食べ物を経験し、よく噛み、脳に栄養と刺激を与えることはとっても大切なのです。
噛むとイライラしない
噛むと脳が刺激されて前頭葉が活性化されます。この前頭葉ですが、感情をつかさどっています。前頭葉が未発達だと何が起きるかというと「イライラする」、問題行動を起こすなどがあります。よく噛んで前頭葉を育てることが大切です。
噛む練習が始まるのは離乳食後期ごろから。いきなり「噛んで脳を刺激させる!!」と思わなくて大丈夫です。その時期に合った食べ物の大きさ、かたさの食事を用意するだけでOK。大人が噛んで食べている見本を見せて食事を楽しむことが大切ですね。
保育士で家庭的保育所経営。一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表。関東と関西中心に、離乳食インストラクター養成講座やママ向けに離乳食講義・料理教室を開催中。「かおりの“和の離乳食レシピ”blog」では1500以上の離乳食レシピを掲載中。