自分のミスが原因なのに残業を拒否!
新入社員研修で初めて見かけた女性社員は、「私のパパは副社長なの。採用試験はせずに入社したから、今日がはじめましてよね♪」と同期に話していました。
少し驚きましたが、コネ入社であっても業務をしっかりと覚えてもらえれば問題ありません。ところが新人たちが少しずつ仕事に慣れてきたころ、ある事件が起こりました。
例のコネ入社社員が、「私の勤務時間は17時までですよね? 残業させるなんて契約違反!」と言い出したのです。この日、彼女は業務中にあるミスをして残業が必要になってしまいました。これまで何度も教えた注意事項を彼女が聞いていなかったために起きた事態で、他の部署にも迷惑がかかっています。
私は「集中すれば30分で終わるはずよ。定時は決まっているけれど、必要に応じて残業をお願いすることは認められているの。このトラブルは、あなたが招いた結果なんだから責任を持ってやり直してください。これも勉強のうちよ」と言い聞かせます。
本当は隣でサポートしたかったのですが、どうしても外せない会議があり、私は「その作業が終わったら帰っていいからね」と伝え、その場を離れました。
翌朝出勤すると大変なことに…
そして翌日。出勤後、彼女に昨日のことを聞こうと思っていると、どこからか「訴えてやる! 昨日、先輩に無理やり2時間も残業させられたのよ!」と叫ぶような彼女の声が聞こえました。
慌てて彼女のもとへ向かい、事情を聞いた私。どうやら研修時に学んだ内容もほとんど理解していなかったようで、本当に2時間かかったのだとか。けれど、これは真面目に研修を受けていなかった彼女の責任です。
私が呆れて黙っていると、彼女は「私は副社長の娘なのよ。残業させるなんて許さない! 今から一緒にパパのところに来て!」と言います。らちが明かない状況になり、私は「わかったわ。お望みなら好きにしなさい」と言って、彼女と副社長室へ向かいました。
彼女は、副社長室に入る前に「これでクビね」といきりたちます。そんな彼女に私は「後悔するのはあなたかもね……」とつぶやきました。
副社長室にいたのは?
彼女がノックもせずに扉を開けると、そこには副社長だけではなく社長の姿が。しかし彼女は構わず「パパ! あのね、先輩がひどいの!」と話し始めます。焦った私は「お取り込み中に突然申し訳ありません。私の指導が行き届いておらず失礼いたしました」と謝罪しました。
娘の姿を見て慌てだす副社長。一方で社長は驚いた様子でしたが、「いいよ。それにしても君はなぜそんなに怒っているんだい?」とやさしく彼女の話を聞こうとします。
すると彼女は、先ほどの剣幕のまま副社長に「パパ聞いて! この人、私に大量の仕事を押しつけて意地悪をするの。2時間も残業させたのよ! 今すぐクビにして!」と言い放ちました。
副社長は社長の目を気にしながら、おろおろして「な、何を言っているんだ。彼女は誰より仕事ができて新人教育もこなす、わが社に不可欠の存在だ!」と私を褒めちぎったのです。
副社長たちの話を静かに聞いていた社長が口を開き、「実際は何があったんだい?」と私に向き直りました。そこで、事情をありのまま説明することに……。
真実を知って驚がくする新人は…
研修を真面目に受けていなかったことや、注意事項を聞かずに作業を進めたことが原因でトラブルが起こり、残業が発生したことを私が話すと、彼女は「私が悪いの!?」と逆ギレ寸前。
そこで社長が「まあまあ落ち着いて。始めはわからないことだらけで失敗もあるだろう。残業が嫌な気持ちはわかるが、仕事でミスをするとたくさんの人に迷惑がかかる。そうならないように努力することも必要だ。教育係がサポートするからしっかり学んでほしい。私の娘はきっと頼りになるから」と諭しました。
すると彼女は「え、私の娘……って?」と呆然。そう、私は父の会社を手伝いたいという思いが昔から強く、ここで働かせてもらっています。彼女は「どうして言わないのよ!」と真っ青。そこで「実力で認められたいの。もちろん入社試験も受けたわ。私は社長の娘だなんて絶対口にしたくないから」と答えた私。
「あなたは、どうせコネ入社だからって言われてもいいの? 実力で見返したくはない? 自分の人生は自分次第よ?」
困った新人の本心が明らかに
私の言葉に、彼女は涙目になっていました。そして「私、どこにも就職できずに父に頼んで無理やり入れてもらったんです。それなのに、同期に比べて仕事を覚えるのも遅いし……。焦りとプライドと悔しさといろいろな感情がぐちゃぐちゃになっていました。失礼なことを言ってごめんなさい」と素直に謝ってくれたのです。
彼女は「今からでも挽回できますか?」と聞くので、私は「心配無用。やる気があるならビシバシ教え込むわよ!」と伝えると、「はい、ご指導よろしくお願いします!」と笑顔を見せてくれました。
その後の彼女は仕事に真面目に取り組んでいます。実は飲み込みも早く、できることが増えていくと自信がついていったようです。そんな彼女を同期たちもサポートしていて、社内はとてもいい雰囲気になりました。
最初はどうなることかと思いましたが、これから彼女も会社にとって大きな戦力になってくれそうです!
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