こんにちは! 助産師のREIKOです。いよいよ夏も本番ですね。もうすぐ予定日! というママも暑くて大変なのではないでしょうか? 無事にお産ができるかということはもちろん、真夏の出産ということでいろいろ気になることも。そこで今回は、真夏の出産について、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。
出産当日はシャワーに入れない!?
ママの産道を通って赤ちゃんが生まれてくる経腟分娩(けいちつぶんべん)。赤ちゃんが生まれてくるということもあって、分娩室の室温も少し高めに設定してあります。そのため、汗だくになってお産をするママも。
お産当日はママの疲労なども考慮して、シャワーには入れません。ですが、お産が終わってから、熱いタオルでからだ全体を拭き、お着換えをします。熱いタオルでからだを拭くだけでも、さっぱりしますよ!
帝王切開の場合は、手術当日はほぼ寝たきり。汗をかいてしまうこともありますし、なにより悪露も出て不快だったりと、帝王切開を控えているママは気になりますよね。パットの交換は定期的におこない、血液もきれいにふき取ります。汗が気になる場合も、からだを拭いたり、状況によってはお着換えをしたりもしていました。
いつからシャワーに入れる?
経腟分娩の場合、お産のときの出血が500ml以下で、会陰切開や会陰裂傷の傷の状態に問題なく、ママの全身状態が落ち着いていれば、お産の翌日からシャワーに入ることができました。
帝王切開の場合は、術後3日目、お傷の状態やママの全身状態に問題がなければOK。それまでは、連日、熱いタオルと体拭き用のソープでからだ全体を拭いていました。術後1日目は、スタッフがすべてお手伝いしますが、徐々にご自身でおこなっていただくようにしていました。
シャンプーもシャワー開始と同時にOKとなっていましたが、どうしてもがまんできない!! という方もたまにいらっしゃいました。そのような場合は、医師に確認し、シャンプー台でシャンプーをしていましたよ。
病室は快適!?
私が働いていたのは総合病院だったので、個室完備のクリニックなどのように入院生活は快適♪ とは、いかない部分もありました。
いちばんは、空調問題。大きな施設ということもあってか、空調管理は中央管理となっていて、ひとつの病棟だけエアコンを……といっても、なかなか難しかったりするんです。今は、大丈夫になりましたが、産婦人科病棟ができてすぐのころは、なかなか冷房を入れてもらえず、ママたちに大変な思いをさせてしまいました。
切迫早産で入院中のママたちは治療に使っているお薬の影響もあって、アイスノンは必須。プラス氷のうを使っている方もいらっしゃいましたよ。
赤ちゃんを思う気持ちが逆に……
お産後、ママと赤ちゃんの状態が安定していれば、ママと赤ちゃんが同じお部屋で過ごすという方針の産院も多々あると思います。私が働いていた病院でも母児同室制をとっていました。
赤ちゃんのお熱を気にしながら、上手にお部屋の温度を調節しているママもいらっしゃいましたが、冷房は赤ちゃんによくないのでは? と思っていらっしゃるママも。お部屋に入ると、かなりの室温になっていてびっくりすることがよくありました。
生まれたばかりの赤ちゃんは、やはり体温コントロールが未熟なので、赤ちゃんのお熱をみながら室温を調節していただきたいと思います。よく室温は何℃がいいの? と聞かれます。厳密に〇℃がいい! とお答えできないのが現状です。新生児室は26℃設定で、状況に合わせて、赤ちゃんのかけ物などで調節していましたよ。
真夏に限らず、どの季節でもお産は大変だと思います。産院のスタッフは、ママたちがより快適に入院生活を送っていただきたいという思いを持っています。気になることは遠慮せず、産院のスタッフに申し出てくださいね。
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。