その後、スーパーの求人の面接を受けに行くと、店長は同じ保育園に通っていた子どものパパでした。話も弾み、見事面接に合格したなな子は翌日から働き始めることに。
パートで働き始めたことで、やりがいを感じるようになったなな子でしたが、次第に家にいるときと職場にいるときの差を感じ始め、悩むようになっていたのでした。
娘からの連絡で、急きょある場所へ向かうことに。すると…
仕事を終えたなな子がスマホを確認すると、
娘からメッセージが届いていました。
早速、娘が教えてくれた場所を地図で確認しながら、
その場所へ向かうことに。
なな子がチャイムを鳴らすと、
キレイな女性が出てきました。
「一花がお邪魔したみたいで……。
あっ、一花の母です」
「あ、子ども園の……!
よかったら上がってください!」
家に上がらせてもらうと、
すごくオシャレな空間でした。
(いいな。ステキなお家……)
(かっこいいお仕事。
それに比べて私……恥ずかしいな)
内心そんなことを思っていると、
「ただいまー」という声が聞こえました。
「あ、主人帰ってきた」
「え、榎本さん!?何でここにっ」
「え?知り合いなの?」
「うちのスーパーで働いてもらってるんだ。
上の子同士も同じなんだね?」
「そういうのは早く教えてよ!」
「ごめんごめん」
なな子も慌てて「すみません」と謝罪。
(いいな……。やさしいご主人がいて、
世の中何でもそろっている人っているんだよね)
(私とあたな、何が違うの?)
2人のやりとりを見ながら、
娘のお友だちのママになな子は嫉妬していたのでした。
各家庭で生活水準は違うと思うので、自分のことを"恥ずかしい"と思う必要はないと思いましたが……。ただ、なな子の目には"お家もステキで夫もやさしくて、すべて兼ね備えている"そんな風に映っていたのでしょう。そして、それが故にこのママに対して、強い嫉妬に近い「羨ましい」という感情が生まれてしまったのかもしれませんね。